選挙27連敗、記録更新のN国党。それでも続ける「ステルス立候補」や奇策に要注意

N教党がターゲットとして狙う層とは

 世の中には、どう考えても怪しさ満点の新興宗教から壺を買ったり、どう考えても怪しさ満点のネットワークビジネスに手を出し、友達を勧誘しようとしてしまう人たちというのが一定数いる。  99.9%の人が引っかからない怪しいネットワークビジネスでも、およそ0.1%の確率で引っ掛かる人がいるのなら、ビジネスとしては成立するのである。だから、N教党は「国政政党」でありながら、まともな人を相手にする戦略を取っていない。立花孝志が取りに行っているのは、世の中に一定数いる次のような人たちである。  例えていうのであれば、小学生でも理解できるような「新型コロナウイルスは蔓延すると、たくさんの人が死んでしまう病気である」という基本的なことを理解できないぐらい人たちがターゲットだ。だから、第4波の大きな山が心配されている中、厚労省の職員23人が送別会を開いていた問題について、立花孝志はYouTubeで「厚生労働省の人間たちは新型コロナウイルスがたいした病気ではないことを知っているので、あえて送別会をやっている」という陰謀論を展開している。こんな珍説に「なるほど!」と思ってしまう人はよっぽど頭が悪いが、残念ながら一定数、本当に「なるほど!」と思ってしまう人は存在する。彼らのこそがN教党の新たな信者候補である。  彼らは立花孝志の新型コロナウイルスの話に共感し、立花孝志の動画を繰り返し見て、やがて洗脳されてしまう。立花孝志が正義のために活動しているように見えてしまうのだ。しかし、実際のところは、いままで筆者が報じてきた通りの人物である。N教信者になる前に、立花孝志の言っていることは疑った方が良い。

「悪を倒すために戦う立花」という演出

 最近の立花孝志は、幹事長だった上杉隆を叩くことに熱心だ。身内であろうと仲間だろうと叩けるものは叩く。これが立花孝志の特徴だ。なぜ、味のしなくなったガムをいつまでも噛み続けるかのごとく、上杉隆のことを叩き続けるのか。それは、一部の信者にとっては叩き続ける限り、立花孝志に「正義」があるように見えるからである。  立花孝志にとって最も大事なのは「自分が正義のヒーローで、悪を倒すために戦っている」という構図である。実際のところは、正義のヒーローでも何でもなく、ただ迷惑行為やモラルに欠けた行為を繰り返すオジサンでしかないので、そんな幻想に騙されてしまうのもどうかと思うが、何の手続きも踏まずに、いきなり仲間だった幹事長に264万円の損害賠償を求める裁判を起こすような、常識を持つ社会人なら絶対にやらないようなことを簡単にやってのけるところに「天才」だと感じてしまうN教信者がいるのだ。  今もN教党は0.2%ぐらい支持されているという情勢調査もある。だから、みんなが騙されないように、しっかり真実を伝えていくことが大切だと考えている。 <取材・文/石渡智大>
普段は選挙ウォッチャーちだいとして日本中の選挙を追いかけ、取材。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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