急速に話題が減った「Clubhouse」。スピ系有象無象が手まねく場になっていた

Clubhouse

Yalcin Sonat / Shutterstock.com

急速に飽きられた「Clubhouse」

 SNS新時代の幕開けのごとく持ち上げられていたClubhouseの話をさっぱり聞かなくなった。急速に広がったのに、あまりに早く飽きられてしまった印象だ。  「胡散臭い人達の遊び場」と化してしまったことが理由の一つではないだろうか。  どんな馬鹿げた発信をしても、実名というだけで信用される方々が幅を利かせるトンデモサロンと化してしまったルームが散見される。  「信者ビジネスの監視」を掲げる筆者には、連日のように「こんなヤバい部屋ありました」「こんなアホなこと言っているのを聞きました」とのメッセージが寄せられた。  規約では、「「オフレコ」と表明された情報をClubhouse内または他の場所で共有すること」が禁止されているが、「規約違反だから漏らしちゃダメだよ!」で会話の流出が阻止できると考えている人は甘すぎないだろうか。  クローズドな場所を守るあまり犯罪の温床になっては元も子もない訳で、週刊誌をはじめ、メディアはそんな法的効力のない決まりに従う気はさらさらない。  報道における「オフレコ」は、取材対象と記者の信頼関係が大前提だ。一方、Clubhouseのそれは、実名が原則とはいえ不特定多数の聴衆がいる場所で、「内緒にしないと面白くないから」程度での口約束に過ぎない。  本稿ではそんな規約違反を恐れず、公益性を重視したのであろうタレコミを紹介したい。まずは「霊能者が語る」といった有り難いお言葉を受けるお部屋の話から。

「霊能者が語る」部屋に訪れた大物歌舞伎役者

 件の部屋を立ち上げた人物は天宮玲桜氏。昨年、女優の竹内結子さんが亡くなった後、ブログに「天宮先生に助けて欲しかったと泣いていますよ」と書いて炎上。あえて彼女に霊能力があるかないかの議論を無視するなら、不謹慎極まりない人物だ。  なにせ前世が卑弥呼(自称)で、「卑弥呼の墓は大分県宇佐市」と豪語してツアーを組み、セミナー会場で、その墓で採ったという「小石状のパワーストーン」まで販売した過去がある御方。  ほかにも色々とやっていることは割愛するが、そんな考古学者も大注目(?)の自称霊能者にはコアな信者さんも大勢おられるようで、Clubhouseでも信者を相手に軽快なトークを展開していたのであろう、ある日のこと。  なんと、大物歌舞伎役者のE氏がそのルームに乱入してしまったのだ。  情報提供をもとに、少しぼかしながら会話を再現したい。 天宮「あ、Eさん? 大好きですう」 歌舞伎役者E「霊能者って書いてあったので面白そうだと思って来ました。誰が霊能者?」 天宮「はい、私です」 歌舞伎役者E「霊能者っぽい話、しないんですか」 天宮「では、Eさんのオーラをみてみましょう」 歌舞伎役者E「はい」 天宮「えっと、Eさんのオーラは金と赤。これはおめでたい色。みんなに幸せをもたらす人ですね」 歌舞伎役者E「そうですか。当たるんですか、この人。ハハハ、ありがとうございました(退出)」 信者「すごい!すごい! ……弥勒様(天宮のこと)、さすがです!」 天宮「私はEさんの関係者は本当に知っていてね。今回のことは亡くなった奥様の霊が導いてくれたことですね」  ……いかがだろう。  ほんの暇つぶしに訪れた有名人。運よく会話が成立し、当人が去った後に信者に向けて吹いただけだとは分かるが、その場にいる人は、信者でなくても「すごい人だ」と勘違いしてしまったことだろう。  この後、天宮氏は「Eさんに遊びにきていただき、オーラを霊視させていただきました」と、ブログにがっつり投稿している。有名人お墨付きの完成だ。  断っておくが、普段から大物政治家、有名芸能人、一部上場企業社長らを鑑定してきた「と、吹聴している自称霊能者」である。  頻繁に更新されるブログなどに、驚くような大物が登場したことはほぼないから、恐らく守秘義務を固く守っているか、大げさなのかのどちらかだろう。  だから、こんなClubhouseバブルは偶然だし、二度と起こらないはず。と、甘く見ていた私が本当に甘かった。
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有名人が訪れても部屋主催者の信用を担保しない
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