高視聴率番組を量産した元テレビ局員が教える、「バズる動画の秘訣」
Clubhouseをはじめとする音声メディアが台頭しているとはいえ、動画メディアの需要はまだまだ衰えていない。今から、動画を作ってバズりたいと思っている人々も少なくないはずだ。
そこで、テレビ朝日社会部記者、「報道ステーション」「スーパーモーニング」「AbemaTV」などのプロデューサーを経て、現在メディアコンサルタントとして活躍する鎮目博道氏に、実際に視聴率アップに有効だったテクニックの一部を教わった。
20数年にわたり数多くの高視聴率番組を制作してきた鎮目氏は、動画制作で注力すべき点は「視聴者に『視聴習慣』をつけてもらうための工夫」だと話す。
「動画の面白さを決めるのは内容であることは言うまでもありません。YouTubeはテレビよりも多様性があり自由度が高いので、基本的には気にせず好きなようにやれば良いと思います。
しかし作り方次第では一度だけバズってその後再生数を取れなかったり、せっかくの魅力が消えてしまうことが多いのです。
チャンネルを維持し動画制作を続けていくためには、視聴者に繰り返し見てもらうことが必要。そのための要素が別途、存在します」
我々は動画を見る際、単に映像を流すだけでなく、そこにある「文脈」を五感を使って感じ取っている。視聴習慣を獲得するためには、視聴者の五感を心地よくするものである必要があるのだ。
そのための要素は膨大にあるが、大きく分けると「内容のわかりやすさ」、「テンポ」、「音選び」の3つだと鎮目氏は言う。
「動画は文章に比べて、一度に伝わる情報量が意外と少ないんです。トーク系は特に気をつけたほうが良い。喋るテーマを1つか2つ程度に抑え、話がコロコロ変わってはいけません。散漫さを感じさせるとすぐ離脱されてしまいます。それよりもシンプルで短い動画の本数を増やしたほうが良いです」
次に、動画の内容によってテンポを使い分けること。
「面白さ、楽しさや元気さを伝えたいときはテンポを上げたほうが良い。方法はいくつかありますが、一つは早くしゃべる。次にテロップをたくさん出す。そしてワンカットずつ短く切る。人気YouTuberには、これを上手くやっている人が多い。逆に、綺麗なモノや品質について訴えたい場合はテンポを下げたほうが良いです」
間合いも重要だ。今の動画界は短時間勝負なだけに、内容を盛りすぎてしまいがち。本当はカットしなくて良い部分で切るなど「抜け感」を取り入れることでテンポの良さは大きく違ってくる。
そしてテンポを出す上で、多用しすぎないほうが良いのが「同ポジ」。
同じポジションから、同じ画角で撮影した映像を小分けにして繋ぐ編集方法で、映像に勢いをつけ退屈させないために使用される。
「同ポジは目がショックを起こして映像が切り変わった気がするので、一つのカメラで撮っていても退屈させずワクワク感を与える効果があります。しかし、映像の文法でいうと本来はNGで、多用すると視聴者をイライラさせてしまいます」
動画制作でまず意識するのは、視聴習慣を付けてもらうこと
視聴者を掴んで離さないための条件は「内容のわかりやすさ」、「テンポ」、「音選び」の3つ
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