公共放送の受信料、韓国は日本の5分の1、欧州は高め。日本より厳しく徴収する国も

受信料の徴収。税金として引かれる国も

 続いて、徴収について見ていくと、強制徴収ができないNHK受信料に対して、ドイツ・フランス・韓国では強制徴収ができるように規定されており、不払い者に対する罰則についても法律で定められています。  また、日本と同じく強制徴収ができないイギリスでも不払い者には1000ポンド以下の罰金が課せられ、罰金未納の場合には刑務所に収監されることに。こうしたことから、徴収率はNHKが81.8%(2019年度)であるのに対し、前述の各国は軒並み90%を超えているという結果につながっています。それでも日本は2011年度が72.5%だったことを考えると、かなり上昇傾向にあると言えるでしょう。  そうした中でも、特徴的なのがフィンランド。受信料という形態ではなく「公共放送税」という税金で所得税に含まれる形で徴収されるのです。日本は世界に比べると、受信料の徴収が比較的「甘い」ということが見えてきます。

受信料を税金で徴収するフィンランド

 所得税に含まれる形で受信料を徴収しているフィンランドですが、この徴収形態については、放送局の運営の変遷と法改正に理由がありました。フィンランドの公共放送Yleは1926年に民間企業として設立されました。しかし、1993年にYle法が成立するとフィンランド政府が保有する株式会社になったのです。現在政府はYleの株式の99.8%を保有しています。こうした経緯もあって、日本をはじめ各国では、徴収にかかる費用を放送局が負担しているのに対し、Yleの受信料(公共放送税)の徴収費用は国が負担する形態を取っています。  元々フィンランドでは、NHKの受信料に当たる「テレビ免許料」をテレビ1台に対して課していました。それが、1998年の法改正でテレビだけでなくインターネットで放送を視聴できる端末も対象になったことから、管理と徴収が困難化したため現在の税金として徴収する方式になったのです。  法解釈の違いや不祥事によって対立する受信料を徴収したいNHKと未払い者。各国の動向もふまえ、両者がこの先、どういった動きを起こすかにも注目が集まります。 <文/Mr.tsubaking>
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