政治家として育てられた第二の故郷を見捨てた鈴木直道北海道知事。業を煮やした厚谷司・夕張市長が香港系ファンドに“直談判”へ

夕張市がリゾート再開費用を肩代わりすることは難しい

営業停止したホテルマウントレースイ

営業停止したホテルマウントレースイ

――「スキー場・ホテルの営業を再開してほしい」と、今日(2月8日)の市民懇談会でも意見として出ていましたが、具体的な方策を教えてください。“厚谷プラン”はないのでしょうか。 厚谷市長:1日も早く再開したいという思いはありますが、市の思いだけで成しえるものではありません。いま市の考え方を伝えながら、いい方向に話が進んでいくように取り組んでいます。 ――まずはスキー場だけでも再開するのは難しいのでしょうか。 厚谷市長:スキー場関係者は「難しい」と言っています。「リフトを動かせばいいだけではなくて、安全対策のためのコース整備や人の配置となると、多額の費用が必要。現実的には今は無理だ」と聞いています。夕張市は財政的に厳しく、費用を肩代わりすることは難しいのです。 ――鈴木知事と相談して、再開プランを作成しないのですか。スキー場再開が、市民のいちばんの望みではないですか。 厚谷市長:仮にそういった方向性になった時、(香港系ファンドの)ライ社長からリゾート施設を貸与してもらえるのかどうか。 ――(長期にわたって営業を継続するという)約束を破ったのは、元大グループ(呉社長)と転売先のライ社長のほうだと思います。そこは強く直談判をしてもいいのではないでしょうか。 厚谷市長:そのへんはまず意見として承っておきます。

厚谷市長、香港系ファンドの社長に直談判することを宣言

2月9日の集会で、厚谷市長はリゾート所有の香港系ファンド社長とのリモート直談判を宣言

2月9日の集会で、厚谷市長はリゾート所有の香港系ファンド社長とのリモート直談判を宣言

 この“市長直撃”の翌9日にも市民との対話集会は開かれ、この日も市民から夕張リゾート再開を求める意見が出た。すると、厚谷市長は前日よりも踏み込んだ発言をした。香港系ファンドのライ社長(香港在住)に直談判をする考えを明らかにしたのだ。  厚谷市長は、「広東語も英語も話せない」と打ち明けたうえで「同時通訳について道庁の協力も取りつけた」と説明。通訳を介したリモート面談で、リゾート早期再開を求める市民の声をぶつける交渉に臨むことを宣言したのだ。  9日の時点では“リモート直談判”の時期は未決定だったが、売却時に市長として約束を交わした鈴木知事も同席するべきではないだろうか。夕張の“宝”とも言うべきリゾート施設を、いつどういう形で再開できるのか。今後も夕張から目が離せない。 <文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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仮面 虚飾の女帝・小池百合子

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