政治家として育てられた第二の故郷を見捨てた鈴木直道北海道知事。業を煮やした厚谷司・夕張市長が香港系ファンドに“直談判”へ

夕張市のリゾート施設売却の責任をまったく取らない鈴木知事

市民との対話集会で語る厚谷司・夕張市長

市民との対話集会で語る厚谷司・夕張市長

「『夕張再建』をアピールして2019年4月の北海道知事選で初当選した鈴木直道知事はなぜ、自らが招いた“第二の故郷”の危機的状況を見て見ぬふりをしているだけなのか」  こんな疑念が湧いてきたのは、2月8日。市民との対話集会を終えた厚谷司・夕張市長から、鈴木知事の対応について聞いた時のことだ。  営業停止・廃業を発表した「夕張リゾート」に関する要望書を市長から1月22日に受け取ったにもかかわらず、未だにリゾートを所有する香港系ファンドと直談判をするなどの具体的行動を起こしていなかったのだ。
市長時代に夕張リゾートを中国系企業に売却した鈴木直道知事(右)

市長時代に夕張市のリゾートを中国系企業に売却した鈴木直道知事(右)

 市内最大の雇用の場で、観光振興の中核的施設でもある「夕張リゾート」の営業停止を招いたのは、市長時代の2017年に2億4000万円で中国系企業「元大グループ」(呉之平=ご・しへい=社長)に売却した鈴木知事だ。 「長年の営業継続が前提」と議会で鈴木市長(当時)は説明していたが、2019年2月に香港系ファンドに15億円で転売され約束が反故になったうえ、リゾート施設の営業停止という最悪の事態となってしまったためだ(筆者記事「夕張市のリゾートを失い、中国系企業を儲けさせただけ? 強まる鈴木直道・北海道知事への不信感」参照)。  それなのに、鈴木知事は現在に至るまで転売益10億円を手にした呉社長に「話が違う」と抗議をすることも、転売先の香港系ファンドに「長年の営業継続が前提だった。1日も早く再開してほしい」といった交渉もしていない。市長時代の判断ミス(失敗)が招いた政治的責任をまったく取っていないのだ。

厚谷司・夕張市長「香港系ファンドにはリゾート再開をお願いしている」

営業停止をしたマウントレースイスキー場

営業停止をした夕張市のマウントレースイスキー場

「鈴木知事はいったい何を考えているのか」「世話になった夕張を踏み台にして後は知らんぷりをするのか」「元大グループにカネや女性問題など、弱みでも握られているのか」といった疑問が次々と浮かんできたのはこのためだ。そこで、要望書を渡した時に鈴木知事と面談した厚谷司・夕張市長を直撃。単刀直入に聞いてみた。 ――1月22日の面談で鈴木知事は、リゾート再開に向けた具体策、例えば香港系ファンドから買い戻すといったことは語っていなかったのですか。 厚谷市長:語ってはいませんでした。今は民間企業の所有なので、夕張市も破産した「夕張リゾート」の債権回収をしている弁護士を通じて(香港系ファンドの)ライ社長には「何とか早い形で再開していただくような対応をお願いしたい」と伝えていますが、まだ返答はありません。(ライ社長の代理人の)弁護士事務所からは「何とかいい形で再開できるように今やっています」という話を伺っていますが、具体的な時期については聞いていません。 ――鈴木知事は市長時代に「長年の営業継続」を前提で元大グループに売りましたが、約束が破られました。鈴木知事は「話が違う」と中国系企業に怒っていたり、「自分の判断ミスだった」と言ったりしてはいなかったのですか。 厚谷市長:そういう話はありませんでした。
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夕張市がリゾート再開費用を肩代わりすることは難しい
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