低精度の抗原検査、入国者の体調確認は自動発信のLINEだけ? 水際防疫のザルさが恐ろしい

ワクチンが変異株に効かない疑惑がある

 南アフリカ政府は、国内で流行している変異株にアストラゼネカのワクチンが効かないとして、使用を見送ることを発表しました。どれくらい効かないのかということについては、別の記事でお伝えされることになると思いますが、一言で言うと「まったく効果がない」というレベルだったようです。  先日、日本にファイザー社製のワクチンの第1便が入りましたが、今後はアストラゼネカのワクチンも供給される見込みで、晴れてワクチンを打てる環境が整った時に、あなたが打つのはアストラゼネカのワクチンかもしれません。  ところが、南アフリカ変異株にちっとも効果がないのだとすると、ワクチンを打つ意味がなくなってしまうかもしれません。その時に日本で流行しているものが、従来の新型コロナウイルスであれば、それは十分に予防効果があるということになるのかもしれませんが、もし南アフリカ変異株が流行するようになっているとするなら、ワクチンを打っても意味がないということになってしまうからです。  もはや日本は、ワクチンに頼る以外の戦略がない状態ですから、国内に変異株が流行するようなことがあると、その戦略すらままならない状態となってしまい、ますますハードなロックダウンをせざるを得なくなります。そうなってしまう前に、せめて「空港検疫」だけは万全の状態にしておかなければならないのですが、今のところは、かなりザルなのです。

変異株に対抗しようとしている知事もいる

 日本には「コロナにはイソジンが効く!」と言ってしまう知事もいるのですが、実は、変異株を早期に見つけ出し、県内の流行を防ごうと対策をする知事もいるのです。  鳥取県の平井伸治知事は、新型コロナウイルス陽性が確認された場合、すべてのケースで「変異株ではないか」を確かめるスクリーニングを実施すると発表しました。もし変異株であった場合には、恐ろしい速さで蔓延してしまう可能性があるので、とにかく変異株なのかどうかを確かめることにしているのだといいます。  もちろん、すべての都道府県で鳥取県と同じようなことができるわけではありません。鳥取県は新型コロナウイルスの感染者が少なく、ここ最近は新規感染者が見つからない日が連続するほどです。そもそも感染者が少なければ、変異株のスクリーニングを実施したとしても、そんなに大変ではないという事情があります。  東京都や大阪府でもスクリーニング検査をやっています。東京都では1月29日までに1710件、大阪府では2月1日までに約40件弱のスクリーニング検査を実施しており、変異株に感染していないかどうかを確認しています。ただ、東京都では変異株に感染している人を確認できましたが、大阪ではいまだ見つけられていません。東京には羽田空港、大阪には関西国際空港がありますが、変異株にどれだけの危機感を持っているのかで、こうした動きも変わってくるというわけです。
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「きちんとした対策」をする国との差
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