ここまで恋愛禁止に反対する意見を述べてきたが、事務所の目線で考えるとアイドルの恋愛が公になった場合、一定数ファンが離れてしまうことは容易に考えられる。筆者個人はそうは思わないが、アイドルは利益を生むための商品だと考える人も存在する。とすれば、恋愛禁止のルールを定めることは一種の合理的判断だと言うことも可能だ。
また、前出の和田さんはテレビ番組内で「(ハロプロは)一応恋愛禁止である」という旨の発言をしている。一般的な会社員でも、規則を破れば何らかの処分を受けるだろう。
筆者が言いたいのは、果たしてそれが「即脱退(厳密には活動終了)」でなければいけなかったのかということだ。そうすることは、筆者たちのように彼女のパフォーマンスを応援し続けたいと考えているファンもろとも切り捨てる行為だ。
話し合いの余地はなかったのだろうか。もし彼女が「辞めます」と自ら言ったとしても、それはこれまでの芸能人生で刷り込まれた価値観からではないだろうか。彼女がしたことは、選択の余地すら与えられないほどの損失をもたらすものだったのだろうか。事務所には過去に縛られずに、改めてその辺りを考えてほしかったと思う。
今回はハロプロ及びJuice=Juiceでの活動終了という残念な結末になってしまったが、筆者がこれまで彼女のパフォーマンスに幾度となく元気をもらってきたのはまぎれもない事実だ。この場で感謝の意を示しておきたい。
彼女が今後また芸能活動をするかはわからないが、彼女の人生が幸せであることを願っている。
<文/火野雪穂>