Juice=Juice高木紗友希さんの活動終了。ハロプロファンが抱いた、アイドルの「恋愛=即脱退」への違和感

ハロプロのアイドルは「疑似恋愛の対象」か?

 ここまでアイドルの恋愛禁止に関する二つの裁判事例を見てきた。判決は異なるものの、両者に共通するのは「ファンはアイドルに清廉性を求めており、交際が発覚すればイメージが悪化する」と考えている点だ。この背景には、おそらく「疑似恋愛の対象」としてのアイドルが存在する。  筆者は、ハロプロのアイドルは必ずしも「疑似恋愛の対象」ではないと考えている。コンサート会場で見る限り、ハロプロの女性ファンの数は年々増え続けている。その上、男女問わず歌やダンスなどのパフォーマンスに魅かれて応援しているファンも多い。  もちろん「疑似恋愛の対象」として応援しているファンがいないとは言えないが、恋愛が公になったとしても、変わらずステージの上の彼女を見続けたかったと思っているファンもたくさんいるのではないだろうか。これだけの努力をしてパフォーマンスを磨き上げてきた彼女が、「ハロー!プロジェクトのメンバーとして、自覚を欠いていると総合的に判断」されることに納得がいかない。  アイドルの恋愛禁止ルールは昔から議論され続けてきた上、ファンの数だけ推しに対する考え方があるのは重々承知だ。しかしながら、筆者は「アイドルだからといって恋愛を制限されるべきではない」と思うのだ。

「他人が決めた生き方」に従わなければいけないのはおかしい

 それは前述したハロプロのアイドルは必ずしも「疑似恋愛の対象」ではないからという理由もあるが、「他人が決めた生き方のレールに沿って歩かなければならない」ことはおかしいと考えるためだ。未成年の場合、恋愛禁止というルールには周囲から所属アイドルを守るという意味合いも含まれているのかもしれない。  しかし、高木さんは23歳だ。成人女性の生き方を、果たして周りが決めて良いものなのだろうか? アイドルである前に、一人の個人として扱われるべきだと筆者は思う。それに「恋愛」を禁ずるということは、一個人の感情を禁ずることと同義なのではないかとも思うのだ。  他のグループでは在籍しながら結婚するアイドルも出てきており、Negiccoのメンバーは3人とも結婚している。また、ハロプロのグループ、アンジュルムの元リーダーである和田彩花さんも「音楽ナタリー」の対談内で「結婚もそうだけど、恋愛しているということも、もっと公にできるといいですよね」と話している。
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「恋愛=即脱退」への違和感
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