森喜朗の“女性蔑視発言”ショックで高まる五輪中止リスク

「皆さま方に心からお詫びを申し上げ、そしてお礼を申し上げて私の命ある限り、日本のスポーツ振興のためにさらに研鑽していきたい、そんなふうに考えております」  2月12日、こう辞任の挨拶を締めくくったのは、ご存じ森喜朗・前東京五輪組織委会長だ。

森前組織会長の女性蔑視発言

五輪 2月3日のJOC(日本オリンピック委員会)臨時評議会における「女性がたくさんいる理事会は時間がかかる」との女性蔑視発言で辞任に追い込まれたが、最後の挨拶は誰よりも長い15分を超えるものだった。  その大半を自身の功績の宣伝に費やしながら、問題発言については「解釈の仕方」「多少意図的な報道があった」と揚げ足を取られたかのように主張。明確な女性蔑視発言をした自分を棚に上げ、「『老害』と老人が悪いかのような表現をされるのは不愉快」と漏らす一幕もあった。  この一連の辞任劇は森氏の独り舞台だったと言っていいだろう。炎上発言翌日の謝罪会見では、追及する記者に対して「そういう話はもう聞きたくない」と逆ギレ。  辞任の意思を固めた2月11日には川淵三郎・元日本サッカー協会会長を後継指名して、「密室人事」「組織委の選考ルールを無視した禅譲」と大バッシングを浴びた。やることなすこと、すべてが裏目に出たのだ。

「森氏の不在が五輪と日本のスポーツ界にとってマイナスに働くことはない」

 その後任は「今週中にも選任される見込み」(スポーツ紙記者)のようだが、組織委発足から7年にわたってトップの座にあった森氏の退任はどんな影響を及ぼすのか? スポーツライターの玉木正之氏は次のように話す。 「森氏は東京五輪に関するすべての最終的な意思決定を下してきた人物。自著『遺書 東京五輪への覚悟』(幻冬舎)で明かしているように、’16年リオ五輪閉会式での“安倍マリオ”演出を仕掛けたのも森氏です。  本来、五輪の政治利用はご法度で、恥ずべき行為なのに、強大な政治力でやってのけてしまった。その結果、昨年には安倍首相の1年延期提案をきっかけに、五輪憲章には記載のない初の延期が決定しました。  最終的な決断はIOC(国際オリンピック委員会)が下しましたが、五輪に対する政治介入が公然と行われるようになってしまったのです。いまだに『菅首相は五輪の余勢をかっての解散選挙を目論んでいる』などと言われますが、森氏が一線を退くことでこうした政治利用に歯止めがかかる可能性がある。少なくとも、森氏の不在が五輪と日本のスポーツ界にとってマイナスに働くことはありません」
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