Photo by Kim Kyung-Hoon – Pool/Getty Images
五輪組織委員長の森喜朗会長による女性差別発言で、世界を巻き込む大騒動が勃発。その発言を「撤回」して職に居座るかと思えば、一転して辞任を表明。さらに後任に川淵三郎氏の名前が挙がるも、結局受託は白紙に。東京五輪が開催前から「大盛り上がり」だ。
ご存知のとおり、
各国大使館が女性差別への抗議を示し、競泳・
荻野公介選手やテニス・
大坂なおみ選手からも批判が相次ぐなど、森氏がつけた火は燃え広がるばかりだ。
発言が取り上げられた当初は辞任を否定するなど、「
外圧によって渋々辞任に追いやられた」という構図は、
我々日本人にとって恥ずべきものだ。海外メディアも、そんな東京五輪を厳しい目で報じている。(参照:
nbc NEWS、
The Guradian、
The New York Times、
Reuters)
まずはアメリカの「
nbcニュース」。「
東京五輪の森会長が性差別発言で辞任」と、当初の
日本メディアには見られなかった直接的な表現が見出しに踊った。
“フランスのエムリオン・ビジネス・スクールで、ユーラシアスポーツ産業センターのディレクターを務めるスポーツ学者の
サイモン・チャドウィック氏は、「日本は東京大会を開催することで、日本が変化していること、外に目を向けていること、改革やより現代的なイメージを投影することになるはずだった」と語った。「しかし、日本にとっては、
パンデミック、
安倍首相の病気による退陣、そして
森氏の辞任という
三重苦の状況が続いている。今、
東京が直面しているのは、これまでにない最悪の事態だ”
また、イギリスの「
ザ・ガーディアン」は森氏の辞任だけでなく、背後で行われていた
後任選びにも言及している。
“森氏の辞任、そして
川淵氏を後任に据えるという失敗に終わった試みは、
菅義偉首相が女性や若い男性を選ぶべきだと提案していると報じられたあとに起こった。ところが森氏は、84歳の東京選手村「村長」であり、日本サッカー協会の元会長である川淵氏に接近した”
“森氏の論争は、東京五輪に「
評価の深刻な損傷」を及ぼすことになったと、大会関係者の一人は語った。同関係者は問題の機密性を考慮して、匿名を条件に
多くの関係者は森氏の後任に女性を望んでいたと話した”