再度改名の「N国」。自公の銀座飲み歩き離党者を勧誘するも、地方選挙26連敗の現実

N国の定例記者会見

N国の定例記者会見

またまた改名!? 迷走するN国

 昨年12月に「NHKから自国民を守る党」に党名変更を発表した「NHKから国民を守る党」が、わずか1ヶ月ちょっとで、またまた党名を変更したと発表し、今度は「NHK受信料を支払わない方法を教える党」になったという。  もはや、どんな名前になったところで、誰も立花孝志に期待していないので「どうでもいい」というのが大半のリアクションだったが、彼らの言っている「NHK受信料を不払いする方法」というのは、単純に「受信料を踏み倒す」という不法行為なので、こうした名称変更を許可してしまった総務省を問題視する声もあったほどだ。  いちいち立花孝志に教えてもらわなくても、一切の不法行為をせず、まったく受信料を支払わなくても良い方法は存在する。皆さんもお気づきだと思うが、そもそもテレビを持たなければ、NHKの受信料とはまったくの無縁なのだ。最近はネットでいろいろなコンテンツを見られるし、テレビを持たない人も増えている。わざわざ教えてもらうまでもない。こんな輩に、このコロナ禍で毎年のように1億6000万円の政党交付金が支払われ、あるいは数千万円の議員報酬や政務活動費が支払われ、丸山穂高が帝国ホテルに122泊もするというのだから、どれだけの税金が無駄になっているのかは一目瞭然だ。前回の参院選でうっかり「NHKから国民を守る党」に投票してしまった人たちには、本気で反省してほしい。

自民党の「銀座3兄弟」を勧誘する立花孝志

 立花孝志は2月5日の記者会見で、緊急事態宣言下の銀座の高級クラブで遊んでいた松本純、大塚高司、田野瀬太道の「銀座3兄弟」を「NHK受信料を支払わない方法を教える党」に入党するように呼び掛けていた。立花孝志は相変わらず「何が悪いのか分からない」とまで言っている。  しかし、この時点で立花孝志が「物の善悪の判断がつかない人間」だということがよくわかる。これまで自民党にはさまざまな不祥事があった。安倍晋三の「桜を見る会」の疑惑に始まり、甘利明の収賄疑惑、菅原一秀のカニメロン疑惑、秋元司、岩屋毅、宮崎政久などがカラんだカジノ賄賂疑惑、河井克行・案里夫妻の公選法違反疑惑などなど。秋元司や河合克行こそ離党したものの、安倍晋三も、甘利明も、菅原一秀も、まだまだ現職の自民党議員である。にもかかわらず、銀座の高級クラブに遊びに行った松本純、大塚高司、田野瀬太道は離党になっているのだから、やらかしたことの大きさと処分の内容が釣り合っていないように思える。これは何を意味するのか。お金の流れが真っ黒だったり、選挙に勝つためにお金を包むことよりも、コロナ禍の高級クラブに遊びに行く方が罪が重いということだ。公明党の遠山清彦に至っては、議員辞職までさせられ、今度の衆院選にも立候補させてもらえないことが決まっているほどである。  どうしてこれほどまでに罪が重いのか。それは収賄疑惑や公選法違反と違って、選挙に大きな影響を与えかねないからだと考えられる。実際、1月31日の千代田区長選では都民ファーストの会の推薦候補に負け、戸田市議選では公明党が議席を落としている。戸田市では4年前と比べて、公明党が15%も票を減らしているのだから、かなりのインパクトだ。通常、どこの自治体でも2~3%減にとどまっているはずの公明党が15%も減らしているのだから、このままでは他の自治体でも議席を減らしかねない。  そうでなくても、自民党や公明党には強い危機感がある。新型コロナウイルス対策の「頼みの綱」だったワクチンが、ファイザー社と正式に契約が結ばれないまま放置されていて、ようやく契約が結ばれたのは、今年の1月20日である。大切なことなのでもう一度言うが、ワクチンの供給について正式に契約が結ばれたのは今年の1月20日である。  ワクチン担当大臣に任命された河野太郎が、2月中旬からワクチン接種が始まると報じていたNHKに対し、「勝手にスケジュールを決めるな」とデマ扱いしたのも1月20日の出来事だ。その後、河野太郎は記者からの「いつになったらワクチンが入るんだ?」という質問に、「テロや妨害行為に備えるために具体的な日程は教えられない」の一点張りを決めている。少なくとも3月中に入ることはないらしく、「早くても4月1日以降」と言っているので、実際はもっと遅いだろう。タイやフィリピンでも今月からワクチン接種が始まろうとしているのに、確保したつもりが確保されていないというクソほどの凡ミスをやらかし、「ワクチンの遅れは日本経済回復の遅れ」なので、これからますます自民党や公明党の票は取れなくなる。そんな状況での高級クラブ遊びなのだから、離党させられるのは「当たり前」である。  しかし、立花孝志は「犯罪をしているわけでもないのに、何が悪いのかが分からない」と言ってしまうのだ。これほどセンスの悪い政治家が他にいるだろうか。だから「NHK受信料を支払わない方歩を教える党」などという情報商材屋みたいな党名をつけて喜んでしまうのだ。
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物珍しさも薄れて選挙26連敗
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