メキシコ巨大カルテルシナロアが、大ボスがアメリカで収監され不在でも分裂しないワケ

シナロアのボス不在を仕切る男

 このように非常に犯罪の多い中にあって、最大のカルテル・シナロアのリーダーエル・チャポは、現在米国の刑務所に収監させられているのはご存知の通りだ。にもかかわらず、シナロアが今も規模において最大の位置を維持しているのはイスマエル・サンバダ・ガルシア(通称エル・マーヨ)が組織を統率しているからである。  現在エル・マーヨは72歳で糖尿病を患っている。エル・チャポと仕事を一緒に始めるようになったのは2001年からである。彼はそれまで異なったカルテルに属していた。彼が不動の地位を築いたのはシナロアであった。エル・チャポがシナロアの組織の運営に邪魔になった時に彼を殺すのではなく逮捕されるように仕向けたのはエル・マーヨだという憶測もある。

DEAをも跳ね除けた難攻不落のアジト

 DEA(米麻薬取締局)の元局員だったマイク・ビジルはアルゼンチン電子紙『Infobae』(1月31日付)の中でサンバダ・ガルシアが住んでいるところから彼を連れ出すことは絶対にできない、と語っている。  彼がまだ局員だった時に「エル・チャポがいる地域でエンマ・コロネルと挙式を挙げた後、彼を捕まえるべくその地域でDEAは二つの作戦を遂行したが、そこまで行くのはほとんど不可能だった」と語り、「というのも、道路も道もない地帯があり、ヘリコプターで近づくこうとすればその音で彼れらは10分から15分以内で隠れることができるようになっている」と述べた。「歩いて行けばその近辺の住民がすぐにカルテルにそれを知らせることができるようになっている。エル・マーヨは馬かまたは歩行して移動しているのは間違いないと思う」と語っている。  更に彼は「エル・マーヨは刑務所に入ることなく落ち着いた死を迎えることはできる」と述べ、彼は糖尿病を患い医療対応を不十分であるということを知っているビジルは「彼はもういつ死んでも不思議ではない。だから彼とエル・チャポの息子たちとの争いがある。なぜなら、彼らはエル・マーヨが死ぬ前にカルテルを完全に彼らの支配下に置く必要があるということを知っているからだ。彼が死んだあとでは組織を支配するのは難しいと知っているからだ」と語った。しかし、彼が既に死んだという情報は掴んでいないという。
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他組織のボスからも敬意を払われているエル・マーヨ
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