スペイン3大祭の2つがすでに中止決定。残る「牛追い祭り」で一悶着

牛追い祭り

あまりにも有名な光景。サンフェルミン祭、通称「牛追い祭り」 photo by San Fermin Pamplona – Navarra via Pixabay

すでに2つの中止が決定したスペイン3大祭

 スペインの3大祭りと言えば「バレンシアの火祭り」、「セビーリャの春祭り」、「パンプロナのサン・フェルミン祭」とされている。  コロナ禍の影響で3月のバレンシアの火祭りと4月のセビーリャの春祭りは昨年同様にすでに中止が決定している。過去には、前者は100万人、後者は350万人の訪問者が記録されている。  2年連続して開催できないというのはホテル、飲食店、土産物店などへの影響は深刻である。筆者が在住しているバレンシアだと例年であればこの時期からバレンシア市内やその周辺都市では各地区に「カサル・ファリェラ」という組織が編成されて民族衣装を着た男女のパレードなどが週末に良く行われている時期であるが、今年はそれもなく街は静かなままだ。

夏の開催で一縷の望みがあった「牛追い祭り」

 この2大祭りが中止となって、残りひとつ牛追い祭りとしてよく知られているサン・フェルミン祭の行方が気になっていたところである。この祭りは7月に開催されるということで開催までまだ5か月ある。それまでにコロナ禍も感染が下火になって開催することが可能になるかもしれないという一抹の希望をパンプロナの市民はもっていた。  ところが、2月2日、ナバラ州の州都パンプロナで経済フォーラムが開催されていたのを利用してそれに出席していたマリア・チビテ州知事が記者会見の席で「良い知らせを伝えることが出来なくて残念に思う」と前置きした上で、「サン・フェルミンのような国際規模の祭りには数百万人がナバラを訪れるが(開催が)可能ではなくなっている」と述べたのである。彼女の発言はスペインのメディアで一斉に取り上げられた。  人口20万人の都市パンプロナにこの祭りの開催期間中はおよそ100万人が世界各地から訪れるというスペインで最も世界規模で知られた祭りである。その導火線になったのはアーネスト・ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』で取り上げられたことであったというのは良く知られている。
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知事の先走り発言に市長が激怒
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