当日の体験を書くに当たって、まずは断っておこないといけないことがある。
メディアポリシーの関係で、記事中にスクリーンショットはない。当日のバーチャル空間でのイベント会場の雰囲気を知りたい方は、Twitterで「
#NEOKET」で検索すると、スクリーンショットが多数見つかる。
では、実際の NEOKET で、どんな体験をしたのかを書いていく。まず、VR空間のアバターについてだ。数十種類のデフォルトアバターが用意されていて、選ぶことでその姿になれる。アバターはいつでも変更可能になっていた。また、自作のアバターを利用することもできた。
私はデフォルトアバターを利用したが、会場では自作アバターの人の方が多くいるようだった。多数の人が、バーチャル空間用のアバターを持っているということに、私は驚いた。
この驚きは、コスプレが流行り始めてしばらく経った頃の感覚に似ていた。二十年以上前に、マンガやアニメのキャラの格好をしている人たちがいるなと思っていたら、いつの間にかオタク界でメジャーな娯楽になっていた。そうした新しい時代の娯楽が、バーチャルな世界で広がっているのだと感じた。
次に、イベント会場が、どのようになっていたのかを書く。スペースは1ヶ所の入り口(中央ホール)と、10ヶ所のサークル島(展示会場)に別れていた。入り口に当たる「NEO代々木」というエリアで地下鉄に乗ると、地下を移動したあと空へと浮上して、現実の国際展示場を彷彿とさせる空中展示場へと到達する。
到着した場所には10の転送ゲートがあり、そこからサークル島A~Jへと移動可能になっていた。エリア間の移動は、NEOKET アプリのメニューから直接選んでおこなうこともできる。画面には、それぞれのエリアに現在滞在している人の数が表示されていた。
私は、G島の12番が展示ブースだった。そのブース内に入って、同人誌を売った。
ブースには、頭上の大看板と、机の上の小看板、4種類の同人誌と、立ち読みできる見本誌が置けるようになっていた。サークルブース内からは、いくつかのスイッチが操作できた。離席中といった表示の切り替えや、各同人誌に完売を表示するボタンが設けられていた。
私は同人誌として、PDFの本を販売した。私はデジタルデータの販売だったが、連携サービスの BOOTH では、紙の本やグッズを、郵送で販売する機能もある。そのため人によっては、そうしたリアルな物を売る人もいただろう。
同人誌の購入は、VR空間内に、BOOTH の購入画面が表示される形式だった。このアプリ内Webブラウザなのだが、動きがもっさりしていて操作が大変だった。また、0円の商品の購入ボタンが押せないというトラブルも発生していた。
この購入操作だが、購入時にいきなり Pixiv の ID でのログインが求められる。そのため、サークルの前で、急に数分間動きを止めている人が、ちょくちょくいた。パスワードを探す必要があるからだ。
決済に手間取り、ブースの前で不動の状態になっていることを、来場者から謝罪されたりもした。自分で、他のブースを回った時にも同じ状態になったので、この部分はちょっと不便だなと感じた。
先ほど、各エリアにいる人数が表示されると書いた。この人数を定期的にメモしておいて、全体の人数を集計したので、どのぐらいの人数がいたのかを掲載する。
11:34 590人
11:57 561人
12:31 672人
12:51 660人
13:21 742人
14:06 772人
14:44 803人
15:29 791人
16:24 731人
17:33 752人
17:39 786人
イベントの時間は11時から18時。ピークは15時ぐらいで、その後少し減り、ラストに向けて人の数が増えた。これは、リアルの同人誌即売会とは、かなり人の出入りの動向が違う。
リアルの同人誌即売会では、最初の2~3時間が最も人が多く、その後急激に人の数が減り、終了間際では人がほとんどいない。リアルとオンラインのイベントでは、人の動きに、違う法則性があることに気付かされる。
また、各エリアの人数についても粗密があった。大きな傾向としては、アルファベットの先頭のAが多く、末尾になるJが少なかった。これは、Aから順番に回っている人が多かったからだろう。
各サークル島には、20サークル分のブースがある。空いているスペースもあったので、サークル数は若干少ない。全体で200サークル弱。それらを、見本誌を見ながら回っていると、けっこうな時間が掛かる。後ろの方のアルファベットのブースになった人は、少し割を食った形になっていた。
またそれとは別に、サークル島Fの滞在者数が突出して多かった。これは、バーチャル系の人気絵師がいたことが大きいと感じた。現実の同人誌即売会でも、人気サークルがある場所に人が集まる。これはバーチャル空間でも同じということだ。
ちなみに、私がいたサークル島Gは、ほとんどの時間で、最も人数の少ないエリアだった。技術系、情報系のサークルが多かったので、絵師やマンガ家目当ての人は来ない。そのため、まばらな人の入りだった。