NHKの有馬嘉男キャスター降板報道。国谷裕子キャスターと同じく「菅氏に切り込んだ」から!?

菅氏に切り込んだ国谷キャスターに続き、有馬キャスターも降板!?

NHK渋谷入口「NHKのニュースキャスターが、また政権に飛ばされるみたいよ」  そんな話が2020年12月、世間を飛び交った。『週刊文春』の報道がきっかけだ。「また」というところが情けない。話題の主は、NHKの看板ニュース番組「ニュースウォッチ9(ナイン)」の有馬嘉男キャスター。2020年10月の放送で生出演した菅首相に対し、学術会議問題で切り込んだのが原因だとささやかれている。最終的にどうなるかは、まだわからない。  菅さんに切り込んだのが原因で降板したと言うと、「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターを思い出す。2014(平成26)年7月、集団的自衛権をめぐる放送で、国谷キャスターは、当時の菅官房長官にインタビューで鋭く問題点を問い質した。  放送後、菅氏と官邸サイドは強い不快感を示したと言われる。翌年の年末、現場レベルで続投が決まっていた国谷さんは「年度いっぱいで契約を更新しない」と上層部から告げられた。こうして国谷さんは2016年3月で番組キャスターを降板することになる。不本意な降板だったことを、その後インタビューなどで明かしている。 「クローズアップ現代」はNHKを代表する報道番組の一つだ。内部では略して「クロ現」と呼ばれる。「クロ現」に出演するのは私にとって夢だったし、今でもNHK記者の夢だと思う。

絶大な信頼のもと、23年間キャスターを続けてきた国谷さん

「クローズアップ現代」放送後の記念写真。後列中央が筆者

「クローズアップ現代」放送後の記念写真。後列中央が筆者

 国谷さんは1993(平成5)年の「クロ現」放送開始当初からメインキャスターを続けてきた。私が記者として出演させていただいたのは1997(平9成)年。介護保険法が成立して2000(平成12)年の制度開始が決まった翌日だった。その後は、大阪で府警キャップ(大阪府警担当記者のまとめ役)やニュースデスクとなり、記者たちのサポート役として何度も番組制作に参加した。  国谷さんは番組で放送されるVTRを2度試写する。まずは放送前日、ディレクターや記者、デスクなど制作陣とともに。国谷さんは事前に取材資料を読み込んでいて、VTRの内容に毎回厳しい質問をしてくる。視聴者目線で、わかりにくいものや納得できないことがあると、どこまでも掘り下げて指摘してくる。  2度目は放送当日。前日の指摘を受けて手直しされたVTRを確認する。再度納得できないところを突っ込まれるので、国谷さんにOKをもらうのはなかなか大変なことだった。  番組は月曜から木曜まで週4日放送されていた。だから国谷さんは、当日の放送分と翌日の放送分と、毎日2本の番組を試写していたことになる。毎回テーマがまったく違うのに、すべての内容を頭に入れてスタジオでしゃべるのは、並大抵のことではない。  国谷さんの厳しい指摘は、視聴者目線で番組を少しでもよくしようという気持ちからであり、「クロ現は自分が伝える番組だ」という責任感と自負があったからだろう。それがわかるから現場の制作担当者の間で絶大な信頼があった。だから23年間もメインキャスターを続けてこられたのだと思う。
次のページ
現場は国谷さんの続投を望んでいたが……
1
2
3
メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相

巨大組織NHKの中で、歪められていく森友事件報道。 スクープを連発した記者の、渾身のノンフィクション。

PC_middleRec_left
PC_middleRec_right
関連記事
PC_fotterRec_left
PC_foterRec_right