日産自動車、契約社員800人を正社員へ。ビジネスパーソンが学ぶべき「意思決定の優先順位」

 日産自動車が、契約社員約800人を正社員として雇用することが明らかになった。工場に期間限定で勤務する人は含まないが、本社や国内の開発部門などで勤務するすべての契約社員が対象で、4月に実施されるという。

一体感を醸成し持続的成長を果たす

日産自動車のイメージ画像

photo via Pexels

 この施策によって、正社員として雇用されることで、勤務する期間に定めがなくなる。中長期にわたって能力を発揮することで、企業全体の持続的成長にもつながる。正社員と契約社員などの間の同一労働同一賃金の問題も是正できる。これらの観点から、望ましい施策と思える。  ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(多様性の受容)を標榜している同社は、契約社員を含む多様なメンバーとの間で一体感を醸成しながら、持続的成長やイノベーションの創出を目指しているに違いない。  いっぽうで、多くの企業はコストやリソースのコントロールの観点から、期間を定めた契約社員を存続している。契約社員を正社員にすべきか? 契約社員のまま存続させるべきか? どちらがよいかという問題は、「意思決定の優先順位の基準は何か」ということに照らして考えると、紐解きやすい。  日産自動車の場合は、持続的成長を果たせるかどうかということが優先順位の基準だというように思える。正社員に転換せず、契約社員のまま存続させるという意思決定をしている企業の優先順位は、コストやリソースの利便性に優先順位の基準があるというように考えらえる。

優先順位基準のギャップ解消が必要

 実は、私たちの身の周りには、この優先順位の基準のギャップによる問題が氾濫している。  上司から「優先順位を決めて実施してくれ」と言われて、部下が自分なりの優先順位で実施して成果を報告したら、「なぜ、別のことを先に実施しないのだ」などいう行き違いが生じてしまう。  上司から「これをすぐにやれ」と言われて、腑に落ちないと思ったことのある人は多いに違いない。これも上司の優先順位基準と、自分の優先順位基準が異なっている一例だ。  単に「優先順位をつけよう」という指示だけでは、異なる優先順位基準で実施されてしまうことが多いと思ったほうがよい。人にはそれぞれ、優先順位基準のクセあがるので、それをお互いに共有しておくことも有効だ。  ある人は「そのタスクを実施できなければ目標達成できない」ということを、重要度と捉える。別の人は緊急度や、ほかの人や組織や顧客に貢献できるかどうかで、意思決定している。  さらには、「多くの人が関わるタスク」から取り組む人や、難易度が高いほうから、低いほうから、所要時間の長いほうから、短いほうから取り組む人まで、さまざまだ。  優先順位の基準を相手に任せるなら任せるということでよいが、指示する人と指示される人で、優先順位基準を合致させておきたければ、優先順位基準を明確にして、すり合わせることが不可欠だ。単なる「優先順位を立てて実施しよう」という掛け声は決して発してはならない
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育成の優先順位でギャップが生じることも
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