普通の会社員はどうすれば「エンジェル投資」に食い込める? 現役投資家に聞いてみた

アパートの一室で起業した会社が、数年後に時価総額・数百億円に――そんなことが当たり前の時代だからこそ、スタートアップ企業への投資熱が高まっている。10万円から夢が見られる「エンジェル投資」の醍醐味とは? 現役投資家にその極意を聞いた。

3つの条件を見事クリアして3社上場。株価は100倍超

エンジェル投資

写真はイメージです

 社上場によって1000万円弱が10億円以上に――。エンジェル投資という言葉が社会に浸透する以前からスタートアップ企業への投資を行っていた高野秀敏氏は、ベンチャーやスタートアップ企業専門の転職エージェント「キープレイヤーズ」代表でもある。  そんな高野氏のエンジェル投資家としてのキャリアはʼ09年から始まった。 「20代の頃に参加した経営者の会で知り合って以来の旧知の仲で、医療と人材のプラットフォーム事業を運営するメドレー代表の瀧口浩平さんから、立ち上げ当初に取締役のオファーを受けました。数十万円の出資とセットで経営を応援したのが始まりです」  同社はʼ19年にマザーズ上場。時価総額は約2000億円にも達している(ʼ20年11月13日時点)。これまでに高野氏が投資してきた企業数は50社以上。投資規模は数十万円から1500万円までと、かなり幅広い。

ビジネスモデルは参考程度でしかない

「投資先の選定基準ですが、まずビジネスモデルよりも経営者の個性を重視します。具体的には、優秀な人材や株主を引きつけ、“人を巻き込む力”があるかどうか。  次に、起業する業界とITやAIを掛け合わせて将来性のある市場となるかどうか。細かなビジネスモデルは計画通りに進むことのほうが少なく、その都度、書き直していかなくてはならないので、そこまで気にしません。もっと大きな枠組みで、目指している方向に未来があるかどうかが重要。  そして最後に、その市場で経営者が勝ち抜ける資質を持っているかどうか。これら3条件が見事にハマったのが『クラウドワークス』『メドレー』『識学』の3社で、すべて上場を果たしています。長期サポートがマイルールなので、まだ株式は現金化していませんが、3社への投資額は100倍以上、10億円以上の資産になっているはずです」
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普通の会社員がベンチャー村に食い込むには?
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