だが、瀧口氏と高野氏が知己であったように、ビッグマネーをつかむには人脈と情報も重要な成功要因。オンラインで投資できるようになったとはいえ、普通の会社員がベンチャー村に食い込むには?
「『開発やデザインに強い』『業界の部長クラスとコンタクトが取れる』など“一芸”を持つことです。
そもそも投資家は起業家から出資をお願いされる関係性であるべきですから、資金力だけでなく、スキルやステータスも重要。そうした一芸を磨いた上で、投資したい業界を得意とするエンジェル投資家にコンタクトを取れば、有望なスタートアップを紹介してもらえる可能性は高まります」
エンジェルは「儲けたい」だけでは務まらない。自分が成長するほど、将来性のある企業と手を組める。そして、上場の夢を追いかけられるのだ。
<私の流儀>
自身の一芸を磨き、巻き込む力のある起業家にコンタクト
▼クラフトバンク
建設業界に特化したプラットフォーム「CraftBank」を運営。建設会社のビジネスマッチングを行っている。
▼Bespoke
AIを搭載したチャットのコンシェルジュ「Bebot」のサービスを提供。世界中の観光地でも導入が始まっている。
▼リンカーズ
各業界に精通した産業コーディネーターを通じ、企業を結び付ける「ものづくり系マッチングサービス」
▼マイベスト
専門家やクリエイターの愛用品やおすすめ商品を紹介するサイトを運営。新しい“選ぶ”の形を提案。
▼BitStar
インフルエンサー向けに発掘、育成、マネタイズを含めたプラットフォーム事業を生み出している。
高野秀敏氏
【高野秀敏氏】
独立系キャリアコンサルタントとしても活動。起業やスタートアップ関連の講演回数は100回超。
<取材・文/谷口伸仁>