NHKを本当に「ぶっ壊す」のは、立花孝志氏ではなく報道部門出身の上層部
総裁選前日、地震のニュースの見出しに「安倍首相」の名前が
バランス感覚を失い、「犬HK」と揶揄される
翌2020年1月6日放送の「日曜討論」では、さらにずっこける事態が起きた。沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設を巡り、移設先の名護市辺野古で進められている埋め立て工事。安倍首相は「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移植している」と述べた。
だが実際には、すべて移植されたわけではないと抗議の声が相次いだ。この発言は生放送ではなく収録だったため、不正確な発言をそのまま流したNHKの対応を疑問視する声も上がった。
私の知る良心的なNHK政治部のデスクや記者たちは、バランスを重んじる。政治と「折り合う」ためにも、特定の政治勢力に偏らないバランス感覚が大切だ。そうした健全なバランス感覚が薄れてきているのではないか? だとすると、これは公共放送の危機だ。
受信料で成り立つNHKは、受信料を払ってくださる視聴者がお客様だ。お客様がNHKに不信感を持ち受信料を払わなくなったら、公共放送NHKは崩壊する。「不払いには裁判を起こす」というのは、不払いが少数の場合の話。大多数が「払わない」と言い出したら、とても裁判などできない。
「政権に忖度するNHKなんて、なくてもいい」と思う有権者が増えたことが、「NHKをぶっ壊す!」と訴えるN国党を躍進させた原動力になったのではないか?
そして「犬HK」という、NHKを揶揄する言葉もネット上でよく見かけるようになった。元々は「NHKが反日勢力に支配され偏向している」と考える人たちが使い出した言葉のようだが、最近では「政権側に支配され偏向している」という正反対の意味、文字通り「政権の犬」としての意味合いでも使われるようになっている。
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