注目を集めるiDeCo&つみたてNISA。2つの制度をフル活用すれば「老後2000万」もクリア可能!?
「老後2000万円問題」が波紋を広げて以来、注目を集めているのがiDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISAだ。まとまった資金がなくても有利に老後の準備ができるという両制度について、前回に引き続き徹底解説する!
iDeCoとつみたてNISAに共通するのは、毎月一定額を積み立てていく積み立て投資を非課税で続けられることだ。一般的に、積み立て投資は老後の準備に最適な投資法とされており、それを非課税でできる両制度は、まさに最強の資産形成術といえる。
積み立て投資は、下落相場を含めた長い期間にわたって続けることで利益を出しやすくなる投資なので、最低10年は続けることが望ましいとされている。しかし、iDeCoは60歳までしか積み立てができないという弱点があったため、アラフィフや50代になってから始めるのはリスクが高いと、推奨されないケースもあった。
しかし、この弱点はまもなく改善される見込みだ。法改正により、’22年からは会社員である第2号被保険者は65歳まで加入期間が延長され、積み立てを続けられることになったのだ。
60歳で被保険者資格を失う自営業やフリーランスは延長の対象外だが、拠出上限額が月6万8000円と多い自営業者は、所得控除による節税のメリットが非常に大きくなるので、やはり加入は有利といえる。
一方、つみたてNISAはもともと20年の長期投資を前提とした制度なので、安心して継続することができる。
iDeCoとつみたてNISAは相性もよく、組み合わせればより効率的な資産形成ができる。
税制優遇はiDeCoの方が有利だが、60歳まで原則換金できないので、老後資金づくりにはiDeCoを、老後より前に使う可能性があるお金はつみたてNISAと、分けて積み立てていくのがオススメだ。
40歳の会社員がiDeCoに2.3万円、つみたてNISAに3.3万円の合計5.6万円を、年利回り5%で20年間積み立て投資を続けた場合の結果をシミュレーションしてみた。
2つの制度を合わせると、20年間で積み立てた元本は1344万円。そして運用で得られた利益を合わせると957.8万円にも達する。
40歳で始めても、60歳で約2300万円の資金を形成できる計算で、これなら「老後2000万円問題」も余裕でクリアできることになる。
しかも、本来なら運用益から200万円近い税が引かれるところを、iDeCoとつみたてNISAなら非課税で全額受け取ることができる。
ちなみに、現行制度のNISAには、つみたてNISA以外に一般NISAという別の非課税投資制度があり、どちらか一方を選んで利用できる(’24年に2階建て制度に改正)。
個別株投資で大きな利益を狙いたい人にも使えるので、積み立て投資はiDeCo、一括投資は一般NISAで非課税メリットを享受する使い方も可能だ。
法改正でiDeCoの加入期間が5年間延長へ
2つの制度を合わせてシミュレーションすると…
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2021.02.26
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