女の身体、わたしの身体。写真家・内田京子の作品から考察する身体とその主権。
人間の身体と家具や食品を並べる
内田氏の作品を初めて見た時に私自身が感じた第一印象として、なんとアンチヒューマニズム的なのだろうと素直に感じた。ここでいうアンチヒューマニズム(反人文主義)とは人間を世界の中心としない考え方。つまり、人間も他の有機体・無機体と同じように捉えることである。
ここでブラジルの人類学者、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロによるアメリカ先住民の思考を紹介したい。
ヴィヴェイロス・デ・カストロによると、アメリカ先住民は精神をありとあらゆる生命全てと同等のものとみなし、人間や動植物に差はなく、我々の目に見えるのは精神の多様な身体性と考えている。つまりこれは、精神は人間、動植物みな単一なものであるとし、そこに人間と非人間の差異はないと考えることだ。ゆえにアメリカ先住民は動物が死んだ時にそれをも人間と捉え、捕食し彼らを身体に取り込む。
ここで特筆したいのは、内田氏の作品は一般的に性的な眼差しを受けやすいであろう「女性の裸体」を非人間的に写実することにより、男性による家父長的な眼差しまでも否定しているということだ。精神が生き物全て同じとしたら、そこに男女の差はないはずだ。
ボディ・ポジティビズム
1
2
ハッシュタグ
