さて、筆者が夕食処に選んだのは「権八 渋谷」。「緊急事態宣言発令後も通常通り営業する」という社長のステートメントがSNSでバズり、話題となったグローバルダイニングが運営するお店だ。
ネット上では「#飲食店を守ろう」というハッシュタグが広がり、飲食店叩きに疑問を呈する声も上がっている。
そんな中、まずは営業しているかの確認で電話を入れると「通常通り営業しています」とのことで、予約を入れてお店へ。店内を見渡してみると、大入り満員といったところだ。筆者はカウンター席に座っていたため、新規で入ってくる客が通りかかるのだが、口を揃えて「めっちゃ、人がいる!」とこぼすくらい、活況な様子だった。やはりSNSの反響効果なのだろうか。
店員に時節柄、通常営業は大変なのではと聞いたところ「コロナ禍で飲食業界は大変な時期ですが、従業員は生活がかかっていますし、何より来てくれるお客様には美味しい食事を楽しんでもらって帰ってもらいたい」と話してくれた。忙しく動く従業員も、客のためひいては自らの生活のために懸命に働く。
後手に回る感染対策やちぐはぐにも思える政府の対応に嫌気がさし、もうあれこれ考えても仕方あるまい。
このような考えから、コロナが収まるまで健康には気を配りつつも「自粛疲れ」でストレスを溜めないように振る舞う人間模様が伺い知れた。
海外ではロックダウン(都市封鎖)を繰り返しても、感染力の強い変異株が登場したり、完璧な感染の封じ込めはできずにいる状況だ。また、ワクチンに関しても副作用や安全性についての不安も払拭されないままでいる。
今後いつまで続くかわからないコロナ禍。まずはしっかりと地に足をつけ、日々予防の最善を尽くすほかないのかもしれない。
<取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。