緊急事態宣言から一週間、繁華街の人出は?

賑わう土曜日の銀座

 翌1月16日(土)。この日は割と暖かく、日中はお出かけ日和となった。昼下がりに、百貨店やブランドショップが連なる銀座の街へ足を運んだ。  昨年の緊急事態宣言中、筆者は美容院に行くために一度中央通りを歩いたが、その際は百貨店が全て閉まり、人通りは少なかった。  しかし、今回の緊急事態宣言はあくまで「経済活動は止めずに、感染リスクが高いとされる会食や飲食などに絞って、効果的・重点的な対策を徹底数する」という方針のため、百貨店やブランドショップは通常通り営業中だ。 003 16時過ぎに銀座四丁目交差点へ行ってみたが、カップルで歩く姿や友人同士で休日を過ごす姿が見られた。幾分、人出は少ないように感じるが、それでもいつもとあまり変わらない”銀座の休日”といったところだ。  いつもと違ったのは、この日は歩行者天国がなくなっていたことくらいだ。いくつか百貨店を回ってみたが、それなりに賑わいを見せており、とある有名ブランド前には行列ができているのを見かけた。人々がショッピングバック片手に中央通りを練り歩く様は、銀座の普段通りの光景だ。  「不要不急の外出は控えて」というが、不要不急の判断は個人の解釈によって当然ながら異なる。ある人にはデートで愛を深めることが必要不可欠であったり、ある人には百貨店で質のいい日常品を買うことが必要だったり。  今回訪れた銀座の人出がさほど普段と変わらなかったのは、やはり「不要不急」を個々の判断に委ねているからなのかもしれない。

夜の渋谷は“夕食難民”が街を歩く姿も

 この後、渋谷の街へと向かった。時間はちょうど20時ごろ。 004 ハチ公前に来てみたが、渋谷スクランブル交差点には信号待ちをする人々が多く見られた。後で気づいたのだが、この時間に混雑していたのは、時短要請で20時に閉店する飲食店で食事を終え、家路へと着くために駅に向かう人が多かったからだった。  ミヤシタパークの渋谷横丁に連なる居酒屋も20時に一斉に閉店。そこから高架下をくぐり、公園通りに出てみたがあまり人出はなかった。  その流れでセンター街中心へ。連れ立って歩く若者グループ、歩調を合わせながら歩くカップル。  ここはいつもながらの渋谷ではあったが、やはり異なるのは飲食店が20時以降やっていないこと。「ここもやってないみたい。何か他で営業しているお店探そうか」「20時以降、絶対経済回ってないよな」といった声が耳に入ってきた。  確かにGoogleで検索してもすぐに、20時以降も営業している飲食店は出てこない。まさに“夕食難民”が、渋谷センター街に溢れていたようだ。  飲食店を探すのをやめ、缶チューハイや缶ビールをコンビニで買って飲む人や、テイクアウトを求めてマクドナルドへ並ぶ人。また、ラーメン屋には夕食を済まそうと人の入りが多く見られた。
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20時以降も営業するお店に人が集まる
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