こうして25日の議院運営委員会は、これまでの
虚偽答弁の訂正を行うはずだった安倍氏がさらに虚偽答弁を重ねる形で幕を閉じた。検察の捜査(実態は指導?)の結果、後援会の政治資金収支報告書の訂正が必要になり、
形だけの申し開きの場を設けたというのが実態なのかもしれない。
費用を誰が補填したのかなど分からない点も多いが、桜を見る会における公職選挙法違反の全容が少しずつ明らかになってきた今、
追及のきっかけとなった2019年11月8日の田村議員による質疑を見返すと非常に感慨深いものがある。
この時点から田村議員は前夜祭と桜を見る会がセットになって、地元有権者をもてなすイベントになっているのではないかと指摘していたが、その指摘は見事に当たっていた。しかも、この時は会費については一切質問していないが、
安倍氏は自ら「参加者個人がホテルに直接払い込みしている」という、常識的に考えてあり得ない答弁をしていた。
つまり、
最初の段階で自ら積極的に虚偽答弁をしていた。その発言は、下記動画の3分55秒からはっきりと確認できる。
*動画リンクが表示されない配信先で本記事を読んでいる場合、筆者のYoutubeチャンネル「
赤黄青で国会ウォッチ」で公開中の動画「#桜を見る会 田村智子vs安倍晋三総理&大塚参考人 2019年11月8日 参議院予算委員会」をご視聴ください。
ホテルとの契約者については、
「参加者個人がホテルとの契約者」という荒唐無稽な嘘に始まり、現時点では
「後援会が契約主体」というストーリーに切り替わったようだが、本記事の1~2問目で説明したようにそれも嘘である可能性が極めて高く、実際は
晋和会(安倍氏の資金管理団体)だと考えられる。
1年以上も嘘に嘘を重ねた挙句、本人からの申し入れで訂正の場を設けたはずの場でも新たな嘘をついた安倍氏。どうやら検察関係者もグルである可能性すらあるという絶望的な事実を突きつけられて、2021年の通常国会を迎えることとなった。
〈文・図版作成/犬飼淳〉
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@jun21101016
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身の
noteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。
noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(
日本語版/
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仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。