このことは、統計にもはっきりと結果が現れており、例えば
累計感染者数の比率は日本:韓国:台湾で370:85:1であり人口比は5:2:1となります。
累計死者数でも
台湾の7名に対して本邦は既に4100人を超えており、韓国は1200人強です。本邦は、
1月中に累計死者数で中国を抜き、東部アジア・大洋州でワースト3となることは確実です*。
〈*但し、100万人あたりの死者数では、1月末までにインドネシア、フィリピン、ミャンマーに次ぐワースト4の見込みである〉
このように、日本、韓国、台湾、ついでに合衆国を比較すると
以前の記事で指摘したように次のようになります。
台湾:初動とその後の取り組みによって大成功をして
世界の理想。近い将来、世界の感染症学の教科書に
理想事例として残るであろう
韓国:数度の右派宗教団体による大規模アウトブレイクの奇襲を喰らいながらも制圧に成功し、秋の波も制圧に成功しつつある
世界の模範。近い将来、世界の感染症学の教科書に
最優秀事例として残るであろう
日本:あらゆる点で国策として故意に誤り、失敗し続けて来ており失敗を正すことも出来ずスウェーデンと並んで
大失敗の見世物。近い将来、世界の感染症学の教科書に
最悪事例として残るであろう
合衆国:世界最高、最強の実力を持つものの愚劣な国家元首と政権のために世界最悪となった
人類史に残る教訓事例。政権交代により猛烈な巻き返しが見込まれる今後の推移がどうであっても近い将来、世界の歴史教科書と感染症学の教科書に
興味深い事例として残るであろう
日本、韓国、台湾、中国における累計感染者数の推移(人 線形)2020/01/22-2021/01/14 中国の統計が途中で不自然に飛び跳ねているのは、この日に統計の漏れを合算したためである OWID
日本、韓国、台湾、中国における累計死者数の推移(人 線形)2020/01/22-2021/01/14 中国の統計が途中で不自然に飛び跳ねているのは、この日に統計の漏れを合算したためである。現在日本は死者数が60人/日を超えており、死者数は新規感染者数に2週間遅行しているために日本が中国の累計死者数を2週間以内に超えることは確実である OWID
日韓台3国では、この先
エピデミック第三波は、温暖・湿潤になる5月頃まで継続する可能性があります。
今の傾向が続けば台湾は、世界最優秀国であり続け、人間の叡智の見本となるでしょう。
今の傾向が続けば韓国は、2月にはほぼ収束し、3月以降は市中感染の掃討に移るものと思われます。韓国も、水際防衛・クラスタ戦略が有効に機能し、英国変異株の侵入も相当程度阻止出来るものと思われます。従って夏までには本格的な復興が始まり、経済・社会・文化活動を謳歌出来るものと思います。但し、事態が収束に向かえば右派宗教団体などからのアウトブレイクの恐れもあり、強い警戒を要します。これは防疫と自由権の衝突という現代国家における本質的な課題です。この課題がいつ火種になるかはわかりませんが、少なくとも第三波エピデミックの収束によって世界の模範になることが期待されます。
本邦についての見通しは極めて暗いです。1月第二週のエピデミックSpikeこそは既述の様におそらく一過性でしょうが、それ以後、例え
増加率の拡大が止まっても今の水準で新規感染者数が増え続ければ本邦の医療は遠からずウィルスに圧倒されます。本邦の医療体制は、
医療従事者のとてもありえない低賃金重労働に支えられている実態があり、ハードウェアがあってもそれを少人数で支えているためもあって
見た目と違い極めて脆弱です。その為に既に関東、関西で医療の崩壊は始まっており、
ロックダウンなどにより医療システムを休ませる必要があります。
また6月から指摘し続けているように、
世界唯一のジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーを信奉・主張する狂った
官僚、医系技官、専門家、医療従事者の横行によって本邦は、世界でも数少ない、ブラジルやスウェーデンと並ぶウィルス・ウェルカム大増殖国家となっています。
結果として本邦は、2月3月4月5月と強力な防壁として機能した謎々効果が、最早消滅寸前であり、トーチカがなくなって負ける寸前のスペースインベーダー・ゲームの様相です。これまで 1 年間、本邦を守ってきた謎々効果の消失が現実のものとなってきたことから、医療・介護従事者や法執行職員、行政現業職、お年寄りを最優先対象とした COVID-19 ワクチンの優先接種は緊急の課題となってきています。今の状態が続けば、謎々効果は、60 日以内に消失する恐れがあり、COVID-19 ワクチンは、1 回目接種日から免疫完成までに 6〜8週間を要します。
各領域における100万人あたりの日毎新規感染者数と比較すると、本邦は、既に謎々効果の影響があるアジア、アフリカの平均を大きく上回り、世界平均の半分以上まで増加しています。今の傾向が続くと、1月末から2月にかけて世界平均を追い抜き、3月には、南米、欧州に迫る可能性があります。これは謎々効果の完全消滅をも意味し、本邦にとっては全く未知の領域となります。
また、感染力が極めて強い英国変異株の国内感染が発見されたように、既に英国変異株の市中への侵入が生じている場合は、2 月中にはその影響が現れると考えられます。その場合は、想定が全て極めて悲観的な修正を要します。
世界の各領域と日本における100万人あたり日毎新規感染者数の推移(ppm線形7日移動平均)2020/01/01〜2021/01/14 OWID
世界の各領域と日本における100万人あたり日毎新規感染者数の推移(ppm線形7日移動平均)2020/01/01〜2021/01/14 OWID
一方で、昨年12月29日より本邦の
移動傾向は東京と大阪を中心として全国的に10〜25%減少しており且つ現在もかろうじて継続していることは明るい兆しです。この程度の移動傾向の減少では、不十分でしょうが、
更に25%移動傾向を減少させることができれば、英国変異株の市中侵入がない場合に限れば、副作用の大きなロックダウン無しで不完全ながら収束に向かわせることができるかもしれません。
今年は、去年に引き続き統計を用いてCOVID-19エピデミックの実態を観測し続けると共に、諸外国との比較で本邦の特異性が何処にあるのか、また何をどうして誤ってきたのかを解き明かし、エピデミック制圧への一助としてゆきたいと考えています。また、そろそろ COVID-19 の話題以外も執筆を再開したいと考えています。
◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」新型コロナ感染症シリーズ36:第三波エピデミック定点観測(1)
<文/牧田寛>