月刊日本編集部が振り返る、2020年に憂国を痛感した掲載記事5選

嘘つきが平気な顔で国のトップに居座る

4.総理が国会で平然と嘘をついた事実を放置してはまともな国ではなくなる<弁護士・郷原信郎氏>  安倍総理が病気を理由に突然政権を放り出したあと、読売新聞の報道により、「桜を見る会」前夜祭に関して東京地検特捜部が捜査を進めていることが明らかになった。その後の経緯の中で、安倍総理が在任中に行った説明がすべて嘘だったことがわかった。  元東京地検特捜部の郷原信郎氏は、もともと安倍氏が嘘をついていることは明らかだったが、捜査によってそのことが裏づけられたと指摘する。そして、安倍氏は政治的責任をとって国会議員を辞任すべきだと断じている。  安倍氏は議院運営委員会で事の経緯を説明したことで「説明責任を果たすことができた」と述べていたが、読売新聞の世論調査では安倍氏の説明に「納得できない」と答えた人は76%にも達している。2021年もこの問題は引き続き追及されることになるだろう。

分断するアメリカ、その根源

5.南北戦争を知らずして、アメリカを語るなかれ<『宗教問題』編集長・小川寛大氏>  安倍政権崩壊と時を同じくして、アメリカの大統領選挙では民主党のバイデン前副大統領が勝利を収めた。  この間、トランプ大統領はアメリカ国内の人種差別を煽り、アメリカを分断したと批判されてきた。そのため、バイデン勝利を歓迎する声は少なくなかった。  しかし、『宗教問題』編集長の小川寛大氏は異議を唱える。「アメリカが分断された」という言い方の背後には「アメリカは統一された国である」ということが含意されているが、アメリカは建国当初から人種問題を抱えており、南北戦争まで行っている。それゆえ、アメリカはそもそも統一された国とは言えないのである。  いまバイデンはしきりに「国民の団結」を呼びかけているが、果たしてうまくいくかどうか。2021年はその真価が問われる年になるだろう。    <文/月刊日本編集部>
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
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