月刊日本編集部が振り返る、2020年に憂国を痛感した掲載記事5選

渋谷

まちゃー / PIXTA(ピクスタ)

 真正保守論壇誌として、旗幟鮮明な誌面づくりをしている『月刊日本』。同誌が昨年報じた記事の中で印象に残っている記事をピックアップしてもらった。

戦前同様根拠なき政策に邁進する国になってしまった日本

1.新型コロナ解説で「安倍批判は控えてほしい」と某局ディレクターに言われた<上昌弘氏>  2020年は何と言ってもコロナ禍に苦しめられた1年だった。安倍晋三総理(当時、以下同)は新型コロナウイルスを軽く考え、初動が大幅に遅れた。その後も科学的根拠のない政策を振りかざし、日本社会を混乱に陥れた。  一例をあげると、2020年2月24日に政府の専門家会議は「この1~2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だ」という見解を発表した。しかし、日本の検査体制は不十分で、感染拡大のスピードが把握できていないのだから、瀬戸際かどうかは判断できないはずだ。  これは医師である上昌広氏の指摘である。いまから振り返れば、上氏の議論がいかに正しいかがわかる。どうやら日本は戦前と同じように、科学的根拠なき政策にまい進する国になってしまったようだ。 2.「総理、これ会見と呼べますか」と問いかけた記者が語る、沖縄メディアの「覚悟」の根源<阿部岳氏>  多くの国民がコロナ禍の中で不安を感じていたが、安倍総理は国民に対してしっかりとした説明を行おうとしなかった。それにもかかわらず、大手メディアから安倍総理を厳しく批判する声があがることはほとんどなかった。  事態を動かしたのはフリージャーナリストや地方紙の記者たちだった。安倍総理が記者会見で、記者の質問に対して事前に用意された回答を読み、すぐに会見を切り上げるという対応を繰り返していたところ、フリージャーナリストの江川紹子氏が「まだ質問があります」と声をあげた。別の記者会見では、沖縄タイムスの阿部岳氏が「総理、これ会見と呼べますか」と問いただしたことが話題になった。  大手メディアが政権批判できないのは、政権と癒着しているからである。大手メディアの底が見えた瞬間だった。

資本主義社会の綻びが明らかになったコロナ禍

3.グローバル資本主義が招く災厄と、行き着く4つの未来像。〈コモン〉を重視する社会への転換を<『人新世の「資本論」』著者・斎藤幸平氏>  コロナ禍は資本主義のありかたを見直すきっかけにもなった。  経済思想家の斎藤幸平氏は、コロナ禍によって保育や医療、介護など「エッセンシャル・ワーカー」と呼ばれる人たちが社会にとってきわめて重要な存在だということが明らかになった一方で、電通のような広告会社やコンサルタント会社などが社会にとって1ミリも役に立っていないことが露呈したと指摘している。実際、電通がやったことと言えば「Go To キャンペーン」の中抜きぐらいである。  しかし、現実の世の中では、社会的に重要な仕事ほど低賃金・長時間労働で、社会的に価値のない仕事ほど高賃金というねじれが生じている。この評価をひっくり返していく必要がある。
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嘘つきが平気な顔で国のトップに居続ける恥知らずの国
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