news23菅首相インタビューを信号無視話法分析して痛感した、菅総理の「ズレ」

TBS NEWSのYouTubeチャンネルより
桜を見る会をめぐる菅総理の責任
また、当日の映像はTBS NEWSのYouTubeチャンネルで、全文 文字起こしは筆者のnote「【全文 文字起こし】 news23 菅義偉首相インタビュー2020年12月21日」で公開されている。
信号無視話法分析の結果については、前編で述べたように、首相の見解を問うような緩い聞き方の質問もあったため、青信号の割合が3割弱あるものの、赤信号と黄信号が7割弱を占めるという結果になった。
今回記事では、新型コロナウイルス対策に関する質問が中心だった1〜12問から一転、国会の話題に移っていく13問目以降のやりとりについてさらに見ていきたい。
「桜を見る会」をめぐる菅総理の責任について
小川彩佳氏:
「さて、ここからは来年までこう続いていく、その他のお話しを伺って参りたいんですけれども、国会ですよね。やはり注目は。」
【13問目】
星浩氏:
「まず、いくつかそのテーマがあるんですけど桜を見る会、ここに来ていろいろその安倍総理の国会招致とかいう話がありまして、もちろん、そのー、これは国会で決めることなんですけど、菅総理について私2点お聞きしたいのはですね、一つはやっぱり7年8ヶ月官房長官やられて、安倍総理の側にいらっしゃってですね、この桜を見る会の公私混同といいますか、その部分について総理ちょっとここは問題ですよという、そのー、諫言をする、うー、ことができなかったのかどうかってのは1点と。もう一つ、あのー、総理ご自身もですね、国会で、あのー、安倍総理が答弁したことが正しいんだと断言されたこともあったりして、総理ご自身の国会答弁に対する責任とあるんですけど、この2点についていかがでしょうか?」
菅総理:
「あのー、桜を見る会、こう長年続いてきていますよね。そういう中で、えー、あれだけ広いところですから、多くの人に来て頂いたのがいいなという、まあ、そんな感覚でやってました。まあ、それ自身は、あー、そこで、まあ、今、テレビ映ってますけど、出席者挨拶をして、これー、海外のそれぞれの高官の方とかですね、来てたんですけれども、そういう意味で特別その目立ったというのは、それは無かったと、気が付かなかった、無かったと思います。(赤信号)
まあ、それと私の国会の答弁ですけど、やはり、まあ、政治家というか、その閣僚ですよね、政府運営は自分の国会の答弁にはやはり責任を持つべきだ。そこはそういうふうに思っています。ただ、今まだ刑事告発がされて、えー、捜査が行われている最中ですから。どういうふうになるか分かりませんので、そこが国会の答弁について、やはり責任を持つべきたということは私は、あのー、閣僚になってからずっとその上で今日まで来てます。(青信号) 」
【14問目】
星浩氏:
「そのー、政治家にとっての責任という言葉、非常に重い言葉だと思うんですけど。そのー総理がその責任を果たすという場合、どういうことを考えられてるんですか?」
菅総理:
「いや、ですからその答弁を正しかったかどうか分かりませんから。私、正しいと思っていますから。そこが、どのようになるかということによって違ってくるだろうと思います。(青信号)」
13問目では、官房長官として安倍前総理に諫言できなかったのか、「安倍前総理の答弁は正しい」と断言してきた菅総理自身の答弁責任の2点が問われているが、13問目の1段落目の回答は以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。
【質問】公私混同を諫言できなかったのか
↓ すり替え
【回答】公私混同に気づかなかったのか
また、「広いところで多くの人に来て頂いたのが良い」という悠長な言葉は、いまだに菅総理の問題意識が甘いことを示しているように思う。
続く2段落目にて「国会答弁に責任を持つべき」と菅総理が回答したので、次の14問目では具体的にどのように責任を果たすのかを問われたのだが、菅総理の回答は「答弁が正しいと思っている」という驚くべき内容であった。質問には回答しているので、青信号としたが、このインタビューが行われた12月21日に衆議院調査局は安倍前総理の桜を見る会の国会質疑における虚偽答弁が118回に上るとする調査結果を発表している。もはや別の世界に住んでいるとしか思えないほどズレている。
〈参照:東京新聞 記事「安倍前首相の「虚偽答弁」は118回 桜を見る会前夜祭巡り衆参両院で」〉
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