20時を過ぎ、イルミネーションのコアタイムは終了。ただ、やはり最後に見ておきたいスポットがある。ハロウィンをはじめ、クリスマスやカウントダウンといったシーズンイベントには何かと話題になる渋谷の街だ。しかし今年は、2016年から恒例となっていた「青の洞窟 SHIBUYA」がコロナの影響で中止に追いやられてしまい、これといったスポットがない。時間的にも果たしてどこへ行こうか考えた挙句、渋谷ストリームで行われている「LIGHT of WISH」へ。
ランタンをモチーフにした幻想的なスポットには、いい雰囲気のカップルが何組も階段に座る姿が見られた。喧騒を離れ、ゆったりと恋人同士の大切な時間を過ごしている様子が伺えた。
渋谷のランドマークであるスクランブル交差点にも行ってみたが、人の数は通常の華金時と比べても大差はなかった。だが、渋谷センター街や文化村通りを歩いていると所々でサンタのコスプレをしている人も見かけた。近隣でクリスマスパーティーを楽しんでいたのかもしれない。
さらに、毎年クリスマスにネット上で話題になる「渋谷のラブホ街」事情も気になったので足を運んでみることに。さぞかし、ラブホで一夜を過ごそうとするカップルで溢れかえっているのかと思いきや、数組ほどラブホに消えていくカップルは見かけたものの、行列など全くできていなかった。時間帯が早過ぎたのか、あるいはすでにナイトタイムに勤しんでいるのだろうか。あれこれと考えるも、さすがに一人でラブホ街を歩くのは気まずく思い、退散。
銀座、六本木、渋谷と都内のイルミネーションスポットを巡ったが、やはり一番印象的だったのは六本木だった。
今年は新型コロナの影響で「おうちクリスマス」が増えるのではという予想がされていたが、例年のように「イルミネーションスポットで非日常を味わたい」と願うカップルも多く街中へ繰り出していたように思えた。
一方で、クリスマスをぼっちで過ごすこととなった人も、自分へのご褒美としてギフトを買ったりアッパーな飲食店へ行ったりと「おひとりさま消費」を通して、聖夜を楽しんだ人もいるかもしれない。
クリスマスの過ごし方は千差万別だ。
恋人と一緒に過ごすのも、気兼ない友人と出歩くのも、おひとりさまでクリスマスを満喫するのも自由である。クリぼっちだからと変に気を落としたりせずに、自分だけの「ハレの日」を楽しむのが一番なのではないだろうか。
<取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。