次に向かったのは六本木だ。
今年の目玉は、けやき坂のイルミネーションと東京ミッドタウンのイルミネーションの2つ。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、点灯時間が20時までに短縮されたことで、時間的に行けるのはどちらか一方のみ。そのため、駅近でアクセス容易な東京ミッドタウンへ行ってみることにした。
地下から地上へと上がり、まず目を引いたのは東京ミッドタウン・キャノピースクエアのイルミネーション。開放感のある吹き抜けの天井もさることながら、夜空とライトアップのコントラストは思わず写真を撮りたくなる光景が広がっていた。セルフィーするカップルはもちろんのこと、中には女性同士が「思わせぶりな写真」をSNSであげようと、あえてピンで写真を撮ってもらう様子も見られた。
東京ミッドタウン内に入ってみると、カップルが多いこと。筆者はたまに東京ミッドタウンに来るが、これほどまでにカップルが多かった日は初めてだ。恋人同士で二人仲良くショッピングを楽しむ様は、若干羨ましくも思いつつ、ガーデンテラス方面へと進む。
ガーデンテラスを出ると、目の前にはスケートリンクが。冬の風物詩として毎年恒例になっている東京ミッドタウンの「MIDTOWN ICE RINK(ミッドタウン アイスリンク)」は今年で12回目を迎えるそうだ。クリスマスの夜にウィンタースポーツをして過ごす友人同士やカップルが多く見られ、楽しそうに氷上を滑っていた。
また、スケートリンクを取り囲むようにしてライトアップされている風景に見入るカップルも見られた。
さらに、国立新美術館方面へと続く「光の散歩道」にはイルミネーションを見ようと多くの人出で賑わっていた。木々に飾られた、幾重にも連なるゴールドのイルミネーションはロマンチックな雰囲気を演出し、聖夜を過ごすにはもってこいの場所だと感じた。思い出に残る写真を撮ろうと、そこかしこでセルフィーをする姿が散見され、また幻想的な光のスペクトルが織りなすスノードーム「SNOW LIGHT GLOBE」の周りには色や光の変化を楽しむカップルでごった返していた。
密回避のために社会的間合い(ソーシャルディスタンス)を取ることが求められる中、この日ばかりは愛を深めることに徹し、お互いの距離を縮めたいとする心の表れが感じとれる情景であった。
また、散歩道の随所に設置されたベンチにはカップルで腰掛け、身体を寄せ合う男女も。人の多さや盛り上がりから見ても、まさに今日一番のクリスマスらしいひとときだった。