テレワーク・オンライン会議で年末年始の作業が山積みに……生産性を上げる「正しい諦め方」のススメ

 新しい生活様式を実践するなかで、働き方の新しいスタイルが定着してきた。テレワークやローテーション勤務、時差通勤、オンライン会議が行われるなか、生産性を上げる難易度が高まっている。

リモートワークで低下する生産性

仕事を諦めているイメージ画像

photo via Pexels

 勤務時間や取引先と接する機会が限られるいっぽう、業務自体が減るわけではない。このような状況においても、生産性を上げるためにはどうすればよいか、ビジネスパーソンや企業はさまざまな工夫をしているに違いない。  筆者が実施している生産性向上プログラムの参加者が行っていることをまとめると以下のとおりだ。  ・類似の業務、同じ場所で行う業務、相手に関連性がある業務は、同じか近い時間帯で実施する  ・同時にできること、移動時間にできることは、同じ時間帯やその時間帯で実施する  ・自分の調子に合わせて、朝一番、午後一番、夕方に実施することを決めている  限られた時間で業務を進捗させる必要に迫られるなか、スケジュールの工夫が一層求められているのだ。自宅の環境は業務を遂行するために万全な状況でないことが多い。家族の状況など不足の事態も起こり得る。そのぶん、できるだけ集中して業務が進捗できるように工夫が必要だ。  さらに、優先順位のつけ方についても工夫している人が多い。  ・勤務既存顧客、新規顧客、社内他部署、社内自部署に関連する業務の順に、優先順位をつけて取り組む  ・朝一番で、メールのタイトルを見て、どのタイミングでメール対応をするかのだいたいの優先順位をつける  ・その日の終業時にタスクを洗い出し、重要度、緊急度、貢献度で優先順位をつけて、翌日、優先順位の高いものから着手する  ただし、優先順位基準が上司部下自部門他部門自社取引先で異なっていて、せっかく業務を遂行しても上司や他部や取引先の期待に応えられなかったり、別のタスクを大急ぎで処理しなければならなくなる場面もある。優先順位基準を確認しておくことが、リモートワークの状況では特に必要だ。

上司や同僚への依頼、仕事の見切りがカギに

 心がけている人は少ないが、実は生産性向上にとても効果のある方法がある。  ・必ずしもその日に実施しなくてもよい仕事を、その日のタスクリストから外す  ・ほかの人に依頼できる仕事があるかどうか確認し、あれば、ほかの人へ依頼する  ・その日に実施しなくてもよい仕事を除き、ほかの人へ依頼できる仕事を除いた、残った仕事に集中して取り組む  その日に実施しなくてもよい仕事を除外するということは、何も、永遠にその仕事をやらないということではない。その日、その期間で行わないということだ。締切が先の仕事、締切がない仕事も実は多い。それらを一旦、タスクリストから外し、その日に実施しなければならない仕事に集中するという方法だ。
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一見すると「諦め」や「サボり」でも生産性向上に繋がる
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