あれもやらなければ、これもやらなければと、
業務が山積して気持ちか落ち着かない状況で一生懸命取り組もうとしても、生産性は上がらない。
やらなくてもよい仕事を一旦はずして、
やらなければならない仕事に集中することで気持ちも落ち着き、生産性が上がる。もちろん、余裕が出てきたら前倒しで除外した仕事に取り組めばよい。
「
ほかの人に仕事を依頼するなんてできない」と思う人もいるかもしれない。ほかの人に依頼するということは、
自分もほかの人から仕事の依頼を受けるということだ。しかし、それぞれの
得意な仕事、
着手している仕事と関連している仕事など、引き受けてみると意外に
ほかの人への依頼もしやすくなるものだ。
仕事の期日を見極めたり、ほかの人に依頼する仕事を選別し、その日にやらなくてもよい仕事を見極めるということには勇気がいる。しかし、この
勇気を発揮できるかどうかが、生産性を向上できるかどうかのカギなのだ。
質問:業務が山積しており気持ちを切り替える余裕さえない
仕事のモチベーションファクターに合わせて自分の意識を切り替えたり、相手のモチベーションファクターをふまえて指示の仕方を変えたりしていけば、モチベーションが上がり、パフォーマンスが向上することはわかりました。
しかし、そもそも、やらなければならない業務が山積しており、ひたすら端から処理することに精一杯で、そのような
工夫をしていく余裕がありません。
山積する業務の処理能力を上げる方法はないでしょうか?
回答:業務のスケジューリングの工夫をする
業務効率の高い人は、業務のスケジューリングをするにあたり、下のような工夫をしていることが多いものです。類似業務や関連業務を同じ時間帯で実施するということは有効な方法です。ほかのメンバーや上司に依頼できることは依頼するという工夫もしています。
業務のスケジューリングの工夫例
・類似業務や関連業務は、同じ時間帯や連続する時間帯で実施
・移動しながら処理、面談時に合わせて確認するなど、できることは同時に実施する
・社外相手、車内相手の仕事、自分でする仕事の順に優先順位をつける
・重要度、緊急度、貢献度の観点から業務の優先順位をつける
・メールはタイトルを見て、重要度の高そうな順から本文を読む
・締め切りを後ろ倒しにできるか検討したり交渉したりする
・ほかのメンバーや部下に依頼できることは依頼する
・上司に依頼できることは依頼する
・当該期間に実施しなくてよいことは、実施しない判断をする
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第221回】
<取材・文/山口博>