今回の素人格闘イベント「hatashiai」は、立花孝志が実質的に広告塔となっているが、今年7月の東京都知事選に立候補したスーパークレイジー君こと西本誠氏と炎上系YouTuberの戦いで場外乱闘騒動があり、警察や救急車が駆け付けるような騒ぎとなった。
事の発端は、炎上系YouTuberが試合開始直後にボイコットし、YouTuberの応援団がスーパークレイジー君に集団で襲いかかるという不意打ちをしたことで、スーパークレイジー君が激怒。スーパークレイジー君を真っ先に襲った男は、一撃のカウンター蹴りで瞬殺されるや、本気のサッカーボールキックが炸裂。ものの数十秒で集団は一掃され、対戦する予定だったYouTuberはリング下に隠れた。
すると、ここで出てきたのが、この試合とはまったく関係のない
立花孝志である。立花孝志はYouTuberを名指しして「出てこい!」と叫ぶと、「
お前のことは知らんけど、スポーツなめんの、ええ加減にせえよ!」と挑発。知らないんだったら、なんで出てきたのか。まったく無関係の中二病オジサンによる壮絶な「オマエ、誰だよ!」である。
結局、この素人格闘イベントはグダグダになり、
VIP席を2万円で購入していた観客からは「価値がない」とクレームまで出る始末。確かに、こんなものにお金をかけるぐらいなら、受信料を払ってNHKでも見ていた方がマシだし、
スポーツや格闘技をなめているのはどっちだという話である。
NHKから国民を守る党は、なにも立花孝志だけが議員として相応しくない人物というわけではない。副党首の丸山穂高や大橋昌信はもちろん、末端の地方議員に至るまで、もれなく全員相応しくないと言っても過言ではない。
しかし、このような集団であるにもかかわらず、NHKが日本郵便と組んで受信料の徴収を強化しようなどという動きがあると、無条件にNHKから国民を守る党の支持率は上がってしまうのである。NHKに対する不満は十分に理解ができるし、こうした国民の声を政治に反映してくれる議員がいたらいいのだが、
少なくとも、それは「NHKから国民を守る党」ではない。
<取材・文/石渡智大>