安倍前総理に関するデマ、素人格闘興行で脱臼とパンチラ……。NHKから国民を守る党の面々の最近の活動

立花孝志のYouTubeチャンネルより

立花孝志のYouTubeチャンネルより

NHKから国民を守る党の現在

 かつて「NHKをぶっ壊す!」のキャッチフレーズで一世を風靡したNHKから国民を守る党だが、今ではすっかり「NHKから国民を守る党」そのものが壊れ始めている。  先日も「NHKから国民を守る党」を「NHKから自国民を守る党」に名称を変え、略称を「自民党」にすることを発表したのだが、総務省からNGを出され、また無駄な裁判を起こそうとしている。  どこに勝ち目があると思って裁判をするのか知らないが、国民の99.9%は「自民党」と言われて立花孝志率いる「迷惑YouTuber集団」を想像することはないだろう。本人いわく、NHKの受信料問題はほとんど解決しているため、それを知ってほしくて党名を変えているというが、それならわざわざ本物の「自民党」に迷惑をかけず、オリジナルで面白い名前をつけたらよろしいのではないだろうか。  さて、新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録し、今年の年末は家で「お笑い番組」を見て過ごす人も多いと思うが、NHKから国民を守る党もなかなかに仕上がっているので、今日は皆さんに「立花孝志劇場」をお届けしたい。

安倍晋三前総理のデマを流す国政政党党首

 曲がりなりにも国政政党の党首である立花孝志だが、「【スクープ】なんと安倍総理の8月の【検査入院】は【検察の取り調べ】だった」という動画を12月10日にアップしている。  選挙公報にも「NHK時代は記者をしていた」と書いてしまい、これから公選法違反にも問われそうな自称・ジャーナリストの立花孝志だが、動画によれば、安倍晋三前総理の8月の検査入院は、実は、検察の取り調べだったという。もしそれが本当なら、とっくの昔に朝日新聞や週刊文春がスッパ抜ていそうであるが、今日の今日までそんな情報は出ていないので、だいたい察するものがある。  もちろん、安倍晋三前総理には数々の疑惑があるので、もし本当に検察の取り調べを受けていたのであれば大喜びする人も少なくないだろうが、なにしろ総理大臣を辞めているぐらいなので、本当におなかが痛かったのだろうと思ってあげたいところだ。  検査の割にずいぶんと時間がかかっているじゃないかと思われるかもしれないが、新型コロナウイルスの院内感染にも細心の注意を払わなければならない時代に、一国の総理大臣が検査をするというのだ。普通に検査しようと思ってもそれなりに時間がかかるのに、まさか総理大臣が一般の患者と並んで長椅子に座り、「アベシンゾウさーん、2番にお入りくださーい!」なんてアナウンスされているはずがない。検査と見せかけて検察の取り調べだったらワクワクもするかもしれないが、「検査入院にこんなに時間がかかっているのはおかしい!」なんて言ってしまう国政政党の党首は、それこそ検査入院が必要だ。頭を診てもらった方がいい。  とにかく“ソースは明かせないが、これは自分がNHK時代に記者をしていた一流ジャーナリストだから掴んだビッグスクープ“だという立花孝志。それと、そんな立花孝志の動画を見て「さすがは立花さんや!」と言ってしまうN国信者たち。テレビ朝日が複数の自民党関係者が明かした話として、安倍晋三総理が検察の取り調べを受けていたと報じた時には、立花孝志はドヤで“ 立花孝志のYouTubeスクープの通りでした“とツイートをしている。  テレビ朝日は8月の検査入院の話を伝えているわけではないのだが、立花孝志は「ほら見たことか!」と、テレビ朝日よりも先にスクープを伝えたことを嬉々としてツイートしている。この時点でだいぶマヌケなのだが、これだけで終わらないのが立花孝志という男である。  追加で「私のスクープが真実であることが証明されました」とまで書いているのだが、なんと、このニュースは1日も経たないうちに誤報だったことが判明し、テレビ朝日が謝罪をしている。今日まで東京地検が安倍晋三総理に何らかの取り調べをしたことはなかったというわけである。  かねてから安倍晋三前総理の疑惑を問題視していた人たちにはガッカリする話だし、取り調べしろと思う人も多いかもしれないが、問題はこの男である。「私のスクープが真実であることが証明されました」と書いているが、そのスクープは真実どころか、とんでもないガセネタだったというわけである。  テレビ朝日は間違えてしまったことを謝罪しているが、立花孝志は謝罪もしなければ、ツイートを消しているわけでもない。これが国政政党の代表者の姿である。
次のページ 
副党首が素人格闘イベントでKOされて脱臼
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会