104円「ちょうど」のような節目は売買が膨らむ重要ポイント。ファーストアタックでは買い方がブレイクを阻止しようと跳ね除けるケースが多いため、yatta氏は買い向かった。
「104円をわずかに下抜けたので、103円97銭で買い、3pipsほど抜いて決済しました。次に104円へ接近したのは21時半ころ。セカンドブレイクは成功する可能性があると考えて104円5銭で売りました」
ブレイク後でなく、直前にエントリーした理由とは?
「損切りまでの値幅をなるべく小さくするためです。104円ぴったりで売ったら、ブレイク失敗時は大底でのショートポジションになってしまう。このときはすぐにブレイクしてくれたので1分も待たずに、8銭くらいの利幅を取ることができました」
セカンドブレイクの際には、損切り幅が大きくならないよう104.05で売りを入れたyatta氏。直後に104.00を下回って利確するも、節目の下抜けで下落トレンドが明確になったと判断して、それ以降はひたすら直近高値で戻り売りを入れる戦略に
その後は戻り売りを繰り返した。
「104円割れで下落基調が強まっていたので基本は売り。直前の高値に接近するたび、売り浴びせていきました。自分はビビりなんで、その高値を超えてくるような場面では、即損切りします。10pips以上の含み損を抱えないように気をつけているので、大損を経験したことはありません」
そのリスク管理もさることながら、yatta氏が意識しているのはトレードする時間帯だ。
「朝9時の東京オープンから。9時55分の仲値と10時半の上海オープンを見たら15時の東京終了までは休憩タイム。欧州市場はやったりやらなかったりで、メインは22時以降のNY時間。スキャルピングは精神的にも肉体的にも負担が大きいので、ボラが大きくなる時間に絞ってトレードしています」
トレード時間が限られたサラリーマントレーダーは参考にしたい。
スキャルピングはチャートに向き合いながらひたすら売買を繰り返す過酷なトレード。yatta氏はトレード効率を上げるために、東京市場がオープンする朝9時から仲値決定の9時55分まで、さらにNY市場がオープンする22時から深夜2時までをコアのトレードタイムとしている。深夜0時のロンドンの仲値決定など夜間は特にボラティリティが高まりやすい
<コロナ相場の極意>節目のブレイク局面ではじめは逆張り、その後は順張り狙い
【yatta氏】
’13年、自営業のかたわら外貨投資へ興味を抱きFXを開始。FXでは3か月で100万円を失ったもののバイナリーオプションで成功する。ファンダメンタルズ分析にも詳しい理論派。ツイッターは「
@yattadee」。
<取材・文/高城 泰(ミドルマン) 櫻井一樹 図版/ミューズグラフィック チャート提供/
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