’51 和歌山県和歌山市生まれ。実家は履物店を営み、3兄弟の次男
’69 和歌山県立桐蔭高等学校卒業。高校時代は民青の活動に関わる。社会科の教師より、世の中を良くするためには経済学を学ぶことが大切と教わり、近代経済学を学ぶため一橋大学へ
’73 一橋大学経済学部卒業。日本開発銀行入行(現・日本政策投資銀行)
’77 同設備投資研究所。所長は下村治、顧問は宇沢弘文
’82 大蔵省財政金融研究室に出向。異能の官僚・長富祐一郎の薫陶を受け、5年間の長期にわたり在籍
’84 初の単著『研究開発と設備投資の経済学』を出版、サントリー学芸賞受賞。同僚の鈴木和志との共同研究や高橋伸彰が作成したグラフを無断で使用していたと指摘されている
’01 小泉内閣発足。経済財政政策担当相、郵政民営化担当相、総務相などを歴任。住民税を免れるため住民票を米国に移していた疑惑が週刊誌に報じられ、国会で追及
’09 人材派遣大手のパソナグループ取締役会長
’13 第2次安倍内閣において、「産業競争力会議」「国家戦略特別区域諮問会議」メンバー
’20 菅内閣発足。「成長戦略会議」メンバー
学者と実業家の顔を使い分ける竹中氏
郵政民営化に向け、小泉純一郎が会長を務めていた超党派「郵政民営化研究会」メンバーだった
上田清司議員は、当時をこう振り返る。
「小泉さんは、民営化は郵便だけという考えだった。『クロネコヤマトも郵便ポストを使えるようになれば、郵便料金は安くなる』と言っていたのに、アメリカの要請を受けた竹中さんによって、いつの間にか、ゆうちょ(銀行)もかんぽ(保険)も対象になった。さらに問題なのは、かんぽの宿がオリックスに売却されようとしたり、
竹中さんがやることは不思議と彼とつながりのある企業が関わってくることです」
竹中氏が役員を務める企業への利益誘導疑惑はたびたび浮上している。
今年5月にも『週刊朝日』のスクープで、竹中氏が国土交通省の非公表資料を開示させていたことが発覚。国会で上田議員が追及した。
国土交通省の非公開資料。「竹中教授限り」と書かずに「竹中会長限り」としてのは、国交省の皮肉だろうか
「竹中さんは空港や水道の運営事業(コンセッション)を手がける
オリックスの社外取締役です。それなのに、
学者という肩書で会議に参加し、空港運営権の落札価格が推測できる数字を教えろと国交省に執拗に迫り、個別に聞き出した。国会議員の私が入手したら、『竹中会長限り』と印字され、資料はほとんど黒塗り。聞けば、竹中さんには守秘義務もないという。
競争、競争と口では言いながら、ご自身は公平な競争をしていないのです。
竹中さんのおっしゃる“改革”で、
非正規は約2000万人に増え、給料の中央値は20年前から100万円下がり、300万円~350万円になった。若者は結婚できず、少子化は進む。消費は増えないから日本のGDP伸び率は先進国でも低いまま。
国は衰えて、口利きや中抜きだけが肥え太っていきます」
スガノミクスによる成長も「竹中会長限り」のようだ。