立民・枝野代表が福島県相馬市の漁協を訪問。汚染水の海洋放出について菅政権と対決姿勢
風評被害の検証をせずに「風評対策をやります」では納得できない

「汚染水の海洋放出で、福島の漁業の命運が尽きる」と警告を発する、福島原発事故生業訴訟の中島孝・原告団長

枝野代表らとの意見交換後、 囲み取材に応じた立谷組合長
菅政権は「脱炭素」にかこつけて原発を推進しようとしている
先の囲み取材で海洋放出関連の質問が一段落した後、所信表明演説で原発推進の考えを述べた菅首相のエネルギー政策について聞くと、枝野氏は次のように答えた。
「『2050年に二酸化炭素実質排出ゼロを目指す』という方向が示された時には若干の期待感を持ちましたが、これにかこつけて原発政策を悪い方向に転換しようとしている姿勢が明確になった。
脱炭素のために原発新増設も否定しないし、原発の新型小型炉開発を進める。汚染水の海洋放出もドサクサに紛れてやろうとしていると勘繰らざるを得ない。原発事故についての原因を含めた検証も十分ではない状況の中で、決して許されるものではない」
「一日も早い原発ゼロ社会の実現」を綱領に明記した立憲民主党のトップが、合流新党結成後の初めて福島を訪問し、漁業関係者と連携しつつ海洋放出を強行しようとする菅政権を批判したのだ。重点政策で野党第一党の存在感をアピールしたともいえる。汚染水処理問題や原発再稼働をめぐる与野党の攻防が注目される。
<文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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