調布市の道路陥没事故は外環道建設工事の影響? 住民の不安高まる
住民説明会、集会で多くの不安の声が噴出
さらなる陥没の可能性も?
この集会で印象深かったのは、一般参加していた、全国のトンネル工事に携わってきた男性からの発言だった。
「今回の事故で注目すべきは、掘削の1か月後に陥没したことです。シールドマシンは土を取りすぎると、土中の水も抜けます。そして直上だけでなく100~200m周辺の地盤にも影響が及ぶのです。だからまだ陥没するかもしれない」
そして集会終了後、菊地さん(前出)が筆者に「NEXCOは陥没地周辺の地中をボーリング調査などで調べていますが、新しい空洞が出るかもしれないんです。あ、まだ秘密ですよ」と教えてくれた。
ところが、その数時間後の22日午前3時。NEXCOが菊池さん自宅のチャイムを鳴らした。果たして、新しい空洞(長さ27m)が発見されたことを報告に来たのだ。
後日、菊地さんは「もう引っ越しを考えている住民もいます。でも不動産価値の下落が確実な以上、家も土地も売れないから引っ越しもできない。NEXCOはどう応えるのでしょう」と不安を漏らした。
その22日、連絡会(前出)は、「東つつじヶ丘2丁目陥没・空洞に関する要望書」をNEXCO東日本と中日本の両社に提出。求めたのは以下の3点だ。
①被害住民連絡会との面談の早急の設定。
②ボーリング調査の内容を連絡会に毎週報告すること。
③新たな空洞について、補償を含めた説明をすること。
なお、有識者委員会は12月上旬には、事故の原因究明の調査報告をする予定だ。もし工事との因果関係を認めれば工事は止まり、因果関係には触れずに、工事を再開しても、また陥没の可能性があるだけに、果たしてどのような報告をするのか、関係者は熱い視線を注いでいる。
<文・写真/樫田秀樹>
かしだひでき●Twitter ID:@kashidahideki。フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
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