’19年
8/30 黄之鋒を違法集会の組織など、周庭を違法集会の扇動・参加の容疑で逮捕
10/1 香港警察が初めてデモ隊に発砲
10/4 香港政府「覆面禁止法」を施行
11/24 区議会選挙で民主派が圧勝
’20年
2/28 民主派新聞『アップルデイリー』創業者の黎智英らを違法集会参加容疑で逮捕
4/18 香港の「民主主義の父」と称される李柱銘ら15人の民主派活動家を逮捕
5/28 中国・全人代が香港に対して国家安全法を導入する方針を決定
6/30 香港国家安全法を施行
黄之鋒・周庭・羅冠聰ら政治団体「香港衆志」メンバーが離脱を発表
8/1 亡命した政治運動家6人を指名手配
8/10 周庭や黎智英らを国安法違反容疑で逮捕
8/23 中国が香港人12人を密航容疑で逮捕
11/1 逃亡犯条例改正案の審議を妨害した立法会条例違反容疑で香港警察が民主派議員7人を逮捕
12/2 黄之鋒・周庭・林朗彦に実刑判決
11月30日の対中議連会合では「香港の夜明け」メンバーが素性を隠しながらも香港の実情についてスピーチした
周庭ら以外にも多くの香港市民が逮捕・起訴されるなか、8月に大きな話題を呼んだのが、亡命を目指して台湾へ密航しようとした12人の活動家らの消息だ。香港警察が「中国の海上警察に逮捕された」ことを明らかにしたが、いまだに家族や弁護士も連絡を取れない状況が続いている。
11月30日に議員会館にて開かれた「対中政策に関する議員連盟」の会合では、民主派の在日香港人グループ「香港の夜明け」メンバーが、安否不明だった12人から家族のもとに突如届いた手紙を紹介。
「すべての手紙は本人の肉筆で書かれていたものだったが、『刑務所の環境はよく、快適』などと、
簡体字や香港人が使わない表現で綴られており、中国当局に強制されて書かされたことが疑われるものだった」と明かした。中国本土で刑事訴追される亡命者には重い刑が科せられるのは必至だ。
こうした中国・香港政府などによる不当な逮捕・拘束について、「対中議連」は日本版香港人権法案(マグニツキー法)の成立によって圧力をかけていく方針。
だが、11月30日の会合に出席した議員によると、「来年の通常国会に提出しても閣法(内閣立法)の審議が優先され、議員立法はその次となるため、成立は早くても5月」という。アメリカ、イギリスなどに続いて、国を挙げて中国・香港に対して人権侵害に歯止めをかけるよう圧力をかける下地が日本にもできつつあるが……実現にはまだまだ時間がかかりそうだ。
<取材・文・撮影/池垣完>