バブル崩壊後の最高値を更新する日経平均。実体経済との乖離も指摘される中、’21年はどうなる?

一方で日銀リスクを懸念する声も

マネ得

写真はイメージです(以下同)

 さらに菅政権、バイデン次期大統領が掲げる脱炭素社会への転換もプラスに働くかもしれない。 「再生可能エネルギーや、電気自動車関連などが国策銘柄として息の長い相場になりそう」(カブ知恵・藤井英敏氏)  プロ16人の日経平均の予想は、高値の平均が2万9650円、安値の平均は2万3169円。ドル/円の平均は97.3円~110円。現在の高値水準が継続するとの声が多かった。  一方で、株式コメンテーターの岡村友哉氏は異なる意見だ。 「コロナがなかったら、今の日経平均の株価まで上昇したのでしょうか? 金融緩和に守られて米株がしっかりしているので、大崩れは回避すると思いますが、ワクチン投与が始まり、経済が正常化すれば、出尽くすのではないか。日本でいえば日銀リスクに注意。日本株最大の買い手である日銀によるテーパリング(量的緩和策の縮小)のアナウンスが出る可能性は高く、これ以上のアップサイドはないと思います」

リスクは実体経済の予想以上の回復か?

 多くのプロたちは、調整を挟みながら株高が続くとしながらも、懸念もあるという。経済ジャーナリストの和島英樹氏は「緩和からの出口を探る場面では波乱が予想される」と見ている。  現在のところ、FRB(米国連邦準備制度)は’23年までの利上げはしないと発表している。だが、期待先行で上昇を続ける株価に対し、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は「予想外に実体経済の景気回復が加速し、金融緩和の引き締めが前倒しになったり、あるいはその兆しが見られれば、リスクになるだろう」との見方を示す。  一旦リスクが顕在化すれば、市場は過度に急落する可能性も考えられる。 「昨今の市場は、大規模な金融緩和やプログラミング売買、高速取引などで、期待や不安を一気に先取りする一方、現実とのギャップを埋めにいくなど値動きが大きくなりやすい」(楽天証券経済研究所・土信田雅之氏)  例年以上に、局面の見極めがポイントとなりそうだ。
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東京五輪が開催された場合は特に注意が必要
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