コロナ禍で「求められる自分」が変化。ストレスの原因はそのギャップにあった
コロナ禍で多かれ少なかれストレスを感じている人がほとんどだろう。世の中のストレスの総量は明らかに増大している。ストレスの原因は何だろうか。その原因がわかれれば、対処のしようがある。私はコロナ禍のストレスの原因は、求められるモチベーションファクター(意欲を高める要素)の急激な変化にあると捉えている。
モチベーションファクターは、リスクテイクしてチャレンジすることで意欲が上がる「目標達成型」、裁量が広がることで意欲があがる「自律裁量型」、責任を果たすことで意欲が上がる「地位権限型」、協力し合うことで意欲が上がる「他者協調型」、リスクを回避し安全性を追求することで意欲が上がる「安定保障型」、バランスをとることで意欲が上がる「公私調和型」の6つにわけられる。筆者は前三者を「牽引志向」、後三者を「調和志向」と呼んでいる。
日本のビジネスパーソンの自分自身の自然体のモチベーションファクターは、牽引志向51.4%、調和志向48.6%と半々にわかれ、6つのモチベーションファクターにだいたい均等に分布する。
ところが、コロナ禍により、リスクを回避する安定保障をはじめ、公私調和、他者協調といった調和志向のモチベーションファクターが強く求められるようになった。
逆に、リスクテイクする目標達成には制約が生じ、感染拡大防止の観点から裁量の余地は限られるようになったことで自律裁量が適えられず、従来のビジネスでの責任が果たせず地位権限が満たされなくなった。牽引志向を発揮できない状況に直面している。
つまり、少なくとも約半数いる牽引志向の持ち主は、自分のモチベーションファクターを発揮しづらくなり、意欲が上がらないということになる。牽引志向のモチベーションファクターが発揮できないのであれば、そしてコロナ禍が調和志向のモチベーションファクターを求めているのであれば、自分のモチベーションファクターを調和志向に変えればよいだけだと思うかもしれない。
しかし、自分のモチベーションファクターは、なかなかすぐには大きく変わらない。自分のモチベーションファクターである牽引志向を抑え、自分とは異なる調和志向が求められる状況が、ストレスを生んでいることが多い。
コロナによって求められるモチベーションファクターが変化
自分を抑えることがストレスの原因に
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2020.11.30
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