猛威を振るう投資詐欺、「ポンジ・スキーム」の悪辣手法

90日で40%の配当が出せる」――今から100年前の米国でチャールズ・ポンジという人物が編み出したポンジ・スキームなる投資詐欺が今、猛威を振るっている。実態のない投資話になぜ人は騙されるのか!?
ポンジスキーム

写真はイメージです

ポンジ・スキームの悪辣手法

 個人投資家を標的にした投資詐欺が大流行している。 「象徴的な事例として挙げられるのが、10月に出金ができなくなり全国で被害事例が相次いでいるPGA(プランスゴールド)というスキーム。被害規模は400億円に上るといわれ、学生から老人までまんべんなく引っかかっている印象です。仮想通貨を経由してお金をネット上のウオレット(財布)に入金すると配当がつくというシステムで、知人を勧誘すると紹介ボーナスが付与されるマルチ商法的な仕組みもあって、爆発的に広まりました。手口自体は典型的なポンジ・スキームで目新しくないのに、こうも引っかかる人が多いのかと驚いています」  そう語るのは、投資詐欺に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏。確かに配布されている資料は陳腐であり、“仕掛け人”とされるインフルエンサーたちが日々投稿する画像も現金や高級時計のオンパレードで、いかにもな内容だ。

最初の成功体験で脱出不可能に

 それでも騙されてしまうのには、人間の心理を巧みにつく情報操作がある。預貯金すべてに加え、消費者金融で借りてきた合計200万円近くを投資し、回収不能に陥ってしまった不動産営業マンのKさん(28)が経緯を明かす。 「最初に話がきたのは今年の3月。会社の同僚から回ってきたんですが、そもそもが『この案件はポンジ。でも、今年の11月までは飛ばないと上層部から直接聞いている。万一やばくなったら先に教えてもらえるから、出金してしまえばよい』という触れ込みでした。同僚は確かに“上層部”と会っているようだし、ポンジでも飛ぶ前に引き揚げちゃえば大丈夫かも、と思ってしまったんです。試しに30万円相当のビットコインを入れたところ、初月は10%ほどの配当がつきました。その翌月も、翌々月も15%以上の配当がつき、あっという間に50万円を超えたんです。試しに出金したら、あっさり引き出すことができて。これはイケると思ってしまった」  この成功体験が後に破滅をもたらすことになる。この構図はKさんに限った話ではなく、ポンジ・スキームで実にありがちな罠だ。
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事前情報より早く飛んだプロジェクトで財産が溶けた
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『ルポ 新型コロナ詐欺 経済対策200兆円に巣食う正体』

誰が新型コロナで暴利を得たのか?

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