「住所が確認できました」と安心させるような内容が記載された銀行からのメール。もちろんニセモノである。
古典的な手口ではあるが、欧米で被害が相次いでいるのは、
iPhone12発売に合わせていること、また
お金を振り込ませるのではなく物品を送らせていることだろう。
「商品を送るまでは代金を振り込めないので、銀行の送金準備を整えて発送された時点で支払う……というのは、
お互いにフェアというか理にかなっているように思えたんです。
決め手になったのは、やはり銀行を装ったメールですね。冷静になって考えるといくらでも偽造できるんですが、そこで油断してしまいました」
側から見ているぶんには「おかしいとわかるはず」と思ってしまうが、
当事者になってみると意外と気づかないのが、詐欺の恐ろしさだ。
ちなみに、こういった詐欺被害に遭わないように米
FBIが注意すべきだとしているのは、下記のような内容だ。(参照:
FBI)
・ 落札する前に
オークションサイトの仕組み、
落札者・出品者の義務を可能な限り知っておくこと。
・ 問題が発生したとき、
オークションサイト/会社がどのような手続きをとるのか調べ、
取り引きや商品に保険をかけること。
・ 出品者についてできる限り調べること。
特にメールアドレスしか記載されていない場合。企業として取り引きを行なっている場合、「
Better Business Bureau」で出品者・企業の所在地を調べること。
・ 出品者の
返信を精査すること。
・
支払先や
金融機関を調べておくこと。
・ 可能であれば、問題があったときに支払いをキャンセルできるよう、クレジットカードを使って
商品の流れを把握しておくこと。
・ 問題が発生した場合に修正することが困難になるため、
国外の出品者と取り引きする際は注意すること。
・ 出品者と
配達日時、
保障や
交換が可能か決めておくこと。
・ 送料など
予想外の料金がかからないか確認しておくこと。
・
社会保障番号や
車のナンバーが取り引きに必要になることはない。
外国の銀行や住所を介したiPhoneの転売。軍資金をゲットして5Gでサクサクどころか、連絡が途絶えて手持ちのiPhoneすら失う……なんてことにもなりかねないので、ぜひ注意していただきたい。
<取材・文/林 泰人>