任命拒否された学者の一人・岡田正則教授は、辺野古埋め立てに異論を唱えていた
岡田正則・早稲田大学教授
税金投入額が辺野古埋め立てよりも桁違いに少ない日本学術会議を行革対象にしたのはなぜか。9月17日付『毎日新聞』は、イージス・アショア配備中止を主導した河野大臣を
「『無駄撲滅』に心血を注ぐ合理主義者」と称賛したが、二度目の行革担当大臣になった途端に
「異論排除で国策ゴリ押し」という菅首相の“下僕的懐刀”に変節したのではないか。
今回任命を拒否された6名の学者は、安倍政権が進めてきた安保法制・共謀罪・特定秘密保護法の重要法案や、辺野古埋め立てなどに異論を唱えた人ばかりだ。
行政法が専門の岡田正則・早稲田大学教授は、辺野古埋め立てのために安倍政権が行政不服審査法(制度)を利用したことに対して
「立法者意思を踏みにじる使い方」「法令に適合しない工事を止めさせることは、(沖縄)県の責任として当然に行うべき事柄である」と国を批判する一方、基地建設見直しを求める沖縄県にエールを送っていたのだ。
翁長武雄・前沖縄県知事の県民葬では安倍首相の弔辞を菅官房長官(当時)が代読。「嘘つき」「帰れ」といった抗議の声が飛んだ
この頃、玉城知事も安倍政権の対応を批判。2018年10月には、この問題を担当する謝花喜一郎・沖縄県副知事が野党合同ヒアリングに招かれ、
「地方自治の破壊」と訴えてもいた(2018年11月6日の筆者記事
「辺野古基地建設強行は『地方自治の破壊』。謝花喜一郎・沖縄県副知事、怒りの訴え」参照)。
「犬猿の仲」の菅首相も小池都知事も、独裁的姿勢では似たもの同士
菅義偉首相
官房長官時代から菅首相は、岡田教授をはじめ国策推進の妨げになる学者を“ブラックリスト”に記載、今回の任命拒否につながったのだと思われる。2017年秋の総選挙で「希望の党」を設立、安保法制と憲法改正を踏み絵に“リベラル派排除(公認拒否)”をした小池百合子・東京都知事と、国策に異論を唱えた学者6名の任命拒否をした菅首相が瓜二つに見えてくる。
公認権をふりかざした独裁的党首の小池知事には
「女ヒトラー」「緑のたぬき」という異名がついたが、「異論排除で国策ゴリ押し」の姿勢が露わになった総理大臣には
「和製ヒトラー」「秋田のたぬき」と呼ぶのがぴったりだ。
「犬猿の仲」とされる二人だが、独裁的姿勢と変身術が得意な点では似た者同士といえる(
『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』参照)。