コロナ禍でも誕生した「億り人」。兼業投資家あーる式の三刀流トレード術
コロナ相場に振り回される投資家が続出するなか、8月にまた新たな億り人が現れた。「あーる」氏だ。イナゴとグロース株分析を駆使する独自の投資法を探った。
アメリカ大統領選まで残すところ3週間弱、選挙戦の行方がマーケットを大きく左右しそうだ。なにしろ、現職トランプ大統領は史上最大の減税策などによって1期4年でNYダウを50%以上押し上げたお人だ。米中貿易戦争を仕掛けたり、自らのコロナ感染などでリスクオフ(株売り)相場も引き起こしてきたが、総じてマーケット関係者からは好評価だ。再選すれば、スガノミクスと相まって日本株も急騰するのは間違いなし、などと予想されているのだ。そんな政治色の強まるマーケットで、荒稼ぎしている投資家がいる。8月に資産1億円の大台突破を果たした兼業投資家の「あーる」氏だ。
「本格的に株を始めて6年、ついに資産1億円を突破しました。地合いがよかったのかもしれませんが、まさか私みたいな『イナゴ投資家』が億トレになれるとは……」
有名投資家が保有する株を“追随買い”するのが俗に言う「イナゴ投資」。あーる氏は当初、有名投資家のトレードをマネするだけの「イナゴ」だったのだ。
「最初は銘柄の選び方などわからず、高配当を中心に買っていました。でも、配当が入っても、株価はそれ以上値下がりして……。もっと勉強しようと考えたときに出会ったのが、『すぽ』さんのブログでした」
すぽ氏は成長株投資に定評のある個人投資家だ。
「ビジネスモデルを分析し成長の持続性があると踏んだ企業なら、PERが20倍でも30倍でもすぽさんは買っていた。PERが10倍台以下でないと買わなかった自分には目からウロコでした。でもビジネスモデル分析は一朝一夕にできるものではない。それで始めたのがイナゴです」
イナゴ投資で資金は少しずつ増えていったが、つまずきもあった。
「当時、個人投資家の間で人気だったウェッジホールディングス(JQ・2388)にイナゴしたところ人生初のストップ安。大損しました。海外子会社の不祥事が原因です。何も調べずに、ただイナゴしてたら勝てないなと、それから自分でも銘柄調査するようになったんです」
それ以降、決算書や中期経営計画を読み、IRセミナーに参加するなどして、自らグロース(成長)株の分析を始めたという。そのなかで出会ったのがマネージメントソリューションズ(東1・7033)だ。
「『べる』さんのツイッターで知ってイナゴした銘柄でした。プロジェクトマネジメントのコンサルティング会社というわかりにくい業態ですが、年30%の増収増益という高成長を維持しているうえに、時価総額100億円以下と小型なのがよかった。小型のほうが値動きが軽いですからね。加えて、上場直後だったこともあり、知名度の低い『低視聴率』の銘柄でもありました。出来高がわずかな注目度の低い銘柄は、決算発表などで一時的に注目度が高まると一気に値を伸ばしやすいんです。高成長・小型・低視聴率は『大化けの3条件』。これを満たしていたので、値上がりを確信してマネージメントソリューションズに資産の大半をつぎ込んだのです」
その結果、2か月で株価は2倍へと急騰したという。このように、あーる氏が得意とするのは、「みんなが知らないうちに買って、みんなが知ったときには売る」グロース(成長)株投資だ。
「接骨院向けのコンサルティングというニッチな業種のリグア(東M・7090)はその典型でした。今年3月に上場したばかりとあって認知度は低く、誰も気にしていなかった。でも、私は『コロナで苦しくなった整骨院がコンサルを求めるのでは?』と考えた。調べてみると、マーケットそのものは小さくてもリグアのシェアがまだ小さいので、会社としての成長性は高いと感じたんです。それ主力として買って、株価2倍で売却しました」
6年で資産10倍を達成! あーる氏の「三刀流トレード術」とは?
何も調べずに、ただイナゴしてたら勝てない
ハッシュタグ