闇スロ店は多くの場合、「みかじめ料」のような形で、
反社会勢力の資金源となっている。だからこそ警察の取り締まりも厳しい。まして年末年始の繁華街の取り締まりは一層厳しい。
闇スロ店は明らかな違法である。そして何よりも重要なことは、闇スロ店の場合、
店側の人間も逮捕・摘発されるが、客として入店していた人も逮捕されるということ。繁華街で「4号機あるよ」と言葉巧みに誘われ、酔った勢いで入店したは良いものの、その場を摘発されれば、一生を台無しにする。
闇スロ店とパチンコ業界の直接的な関りは無い。しかし闇スロ店に設置されているパチスロ機は、日本全国どこかのパチンコ店に設置されていた遊技機であることは間違いない。だからパチンコ業界にとって、闇スロ店問題は他人事ではないのだ。近年の業界不況により、遊技機の中古機流通業を営む販売会社が闇スロ店に、文字通り「闇落ち」した事案もある。
遊技機の解体処理を行う業界公認のリサイクル業者は、遊技機が一斉に撤去される年末の時期をずらし、倉庫に眠っている旧規則機の早期排出を呼び掛けているし、警察庁も遊技機の適正な処理について慎重を期すべしとの指導を行っている。この年末年始は、法律の改正により旧規則機が一斉に撤去されるタイミング。パチンコ業界にとって闇スロ店は、業界とは相容れぬ対象ではあるが、その問題は対岸の火事では無い。
コロナ禍による繁華街の客足は減り、闇スロ店も売上を上げるために必死だ。あの手この手で人の欲望を煽り誘惑する。まあなんにせよ、読者諸氏が年末の繁華街で「凱旋あるよ」と耳元で囁かれても、ヘコヘコ付いていかないことを祈念する。
<文/安達夕>