犬笛吹いて餃子店を休業に追い込むことは「経済を回す」ことじゃない。「ホリエモン新党」の都知事選候補者が発端となったマスク非着用騒動

犬笛吹けば操られる人たちがいる

 恐ろしいことに、堀江貴文さんがFacebookに自己中心的な批判を書き込んだだけで、「犬笛」に操られて、お店に電凸(文句やイタズラの電話をかける)する人間がたくさん現れました。百歩譲って、堀江貴文さんや同行していた当事者が文句を言うために電話をかけるのは分かるとしても、この騒動をインターネットで聞きつけた野次馬信者が電話をかけまくることには何の意味もありません。  「マスクをつけていないぐらいで追い返すとは何事だ!」と言いたいのかもしれませんが、追い返すかどうかはお店の自由です。そもそもお金を払う前から追い返されているので、客でもありません。そういう人たちはドレスコードのある高級レストランでも、Tシャツ・短パンで入れないのはおかしいと言うのでしょうか。お店にドレスコードがあるのは、周囲のムードを壊さないための配慮であり、特別な時間を過ごしてもらうための演出でもあります。そんなお店で「俺はTシャツ・短パンで楽しみたいんだ!」と言っても、「お帰りください」で終わりです。嫌なら行かなければいいだけの話です。  今回のマスクも、ある意味ではドレスコードのようなもの。周囲のお客さんに安心して食べてもらうための配慮です。そんな簡単なことも理解できず、犬笛に釣られて電凸し、結果として店を営業停止まで追いやってしまう。これのどこが「経済を回せ」なのでしょうか。  相変わらず「コロナはただの風邪」だと言ってしまう人はいるのですが、本当に風邪と同じレベルだったら、こんなことになっていません。世界中で経済を犠牲にしてまで命を守るために必死に取り組んでいるのに、この様子を見てなお「コロナはただの風邪」だと言っているのは、さすがに認識が甘いとしか言いようがありません。  思想は自由なので、そう思い込むことで窮屈な毎日をストレスなく生きていくということもあるのかもしれませんが、それでも個人営業の小さな店を休業に追いやるような暴挙に出ていいわけではありません。  世の中には新型コロナウイルスに罹ったら重症化してしまうかもしれない人たちもたくさん生きていて、「コロナ脳」とぶった斬れるのは、その人が若くて健康だからです。若くて健康な人でも重篤な後遺症が残るという報告もあり、すべてがまだ未知数の感染症である以上、「危険」のほうに張るのが普通のリスクマネジメントです。  社会には高齢者もたくさんいるし、病気を持った人もたくさんいます。本来、若くて健康な人たちは、そういう人たちにこそ優しくあるべきだと思うのですが、自己中心的な振る舞いをして、ネット上でのお店の評判が落とされるだけ落とされるというのは、これほど理不尽な話があったでしょうか。自分たちの主張を押し通すために、一生懸命頑張っているお店がどうなっても構わないと考えてしまう人たち。僕はこれを「N国脳」と呼んでいます。少なくとも政治の世界からは撤退していただきましょう。 <文/選挙ウォッチャーちだい>
選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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