コロナ禍でホテル暮らしをしながら売春。20代女性が街頭に立たざるを得ないワケ

繁華街

画像はイメージ

 都内某所の公園周辺。夕方になると年端もいかない少女や20代前半の女性たちが次々とやってきては所在なさそうに座り込んでいます。そして彼女たちを物色するような目つきで眺める男性たち……。ここは個人売春の取引が行われるスポットになっているのです。  なぜ、彼女たちは安全の確保された風俗ではなく、個人で取引をしているのでしょうか?かつて、路上に出てセックスなしで飲食や宿泊を提供する男性を待つ家出少女たちを「神待ち少女」と呼びましたが、「神待ち」スタイルは20代前半にも浸透しつつあるようです。街頭に立ち、自ら客と取引をして性的サービスを提供する彩さん(仮名・20代前半)にお話を聞きました。

お金がなくなったら稼ぎに来る

――普段はいくらぐらいで取引しているのでしょうか? 彩さん:手コキかフェラだけなので、大体5000円です。ホテル代込みで7800円~1万円の感覚かな。私はいつも相手の予算に合わせるタイプ。いくらって言われて納得いけば取引成立、納得いかなければ断る。一番たくさんくれた人で2万だった人もいます。 ――2万円の人はどんな人だったのでしょうか? 彩さん:30代前半ぐらいの人で8000円欲しいって言ったら、ホテルで1万円札出されて、「おつりだそうか」と言ったらいいよと言われました。追加で5000円あげるって言われて、また1万円出された。(行為が)終わって、俺先帰るよ、と言われて。30分経ってないぐらい。めちゃくちゃ早かった。 ――今日は何時から来ましたか? 彩さん:17時30分からかな。 ――普段はどうしてるんですか? 彩さん:今日は早く来たけど、いつもは22時過ぎぐらいからかな…。それで1人か2人。あんまり早い時間帯だと警察に捕まるから。遅くても終電で実家に帰るかな。  まず、ホテルに入ってお金もらって、ドアは開けっ放しでシャワーを浴びてもらうの。いなくなっちゃったりする不安を持って欲しくなくて。 ――女の子たちは、お客さんとホテルに行ってもすぐまた戻って来ますよね。 彩さん:そうなの。1時間ぐらいホテルに行ってまた戻ってきて、また別のお客さんとホテルに行く感じ。 ――1日の売り上げ目標はあるのでしょうか? 彩さん:あるよ。今日は1万円稼げたらいいと思って来た。2万円稼げたら飲んで帰ろうかと。 ――今日はいくら稼ぎましたか? 彩さん:4万ぐらいかな。 ――結構飲めますね(笑) 彩さん:そうだね。でも、無駄遣いはしないよ。月末に携帯代があるもん。課金してるから。 ――課金ってゲームですか? 彩さん:ゲームは課金しない。そうじゃなくて買い物。携帯料金で払うために課金しちゃったから。コンビニで先に使っちゃってて、月末に請求が来るの。クレジットカードと同じシステム。同じようにビジネスホテルに泊まった時にお金なくて、携帯で払ったの。で、また別の物が欲しくてまた携帯で払っちゃった。今月はそれでもう2万円超えてるから…。 ――また稼がないといけないですね…。ひと月あたりのお客さんの人数は何人ぐらいでどれぐらい稼いでいるのでしょうか? 彩さん:その日の気分でここに来ているのでまちまかな。前はホテル暮らしをして毎日稼いでだけど、今は実家通いだから「お金がなくなったら来る」って感じです。

ほとんどの客はサラリーマン

――お金は何に使うのでしょうか? 彩さん:特に決まってない。お金ないな、と思ったらいつも来るから。「これのために使う」みたいなのはないの。今日は来る時1000円しかなかったの。だから稼げなかったら帰りの交通費がなかった。 ――稼げなかったらどうするつもりだったの? 彩さん:常連さんに「お願い、2000円ちょうだい!」って頼むか、車で来ている人に家まで送ってもらおうかと思った。 ――お客さんとはLINEなどを交換しているのでしょうか? 彩さん:交換している人もいます。 ――スーツ姿の人、多かったですよね。 彩さん:そう、お客さんは仕事帰りのサラリーマンがほとんど。みんなお財布がきついからなかなか遊んでくれない。その代わりにジュース買ってくれたりとかご飯代で1000円くれたりします。 ――養ってもらってるようなものですね。 彩さん:そうだね。みんな淋しいからお互いに助け合ってる感じ。 ――お客さんはなぜ来るのでしょうか? 彩さん:結婚している人はセックスレスの人も多い。お小遣いも少ないし、病気が怖いからって言って、手コキだけの人もいます。 ――あの場所に来ることのメリットって何ですか? 彩さん:お客さんを選べることです。 ――確かに、お店だと選べないですね。 彩さん:パッと見て「お金持ってなさそうだな」と思ったら断る子もいる。「おじさんとかおじいちゃんの方がラクだから」って言ってそういう人しか行かない子もいるし、若い人じゃないと嫌だからって言っておじいちゃんは断る子もいる。  私はおじいちゃんは苦手。だってなかなかイカないんだもん(笑)。 ――確かに、若い人は早いですよね。 彩さん:変に若い人も断ります。チャラチャラしてる人とか。自分と同じぐらいの人とかも抵抗ありますね。 ――他の女性たちは同じようなスタイルなのでしょうか? 彩さん:トラブル防止のために2人組の子もいます。そういう子たちは3P専門ですね。
次のページ 
コロナで実家に帰るなと言われて
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会