中高年専門の転職サイト「FROM40」を運営する(株)ダトラの垂内美優氏は、転職に失敗しやすい中高年の特徴は大きく3つあると解説する。
1つ目は「
自分のキャリア、スキルにマッチしていない」だ。
「企業が中高年採用で重視するのは何といっても即戦力性です。単に興味があるとか、新しいことをやりたいという理由だけで未経験の業種・職種に応募しても、採用はおろか、書類選考を突破することも難しいでしょう」
これまで身につけたスキルや経験が生かせそうな会社を選ぶことが転職成功の近道だ。
2つ目は「
企業に自分のできること、できないことをきちんと提示できていない」。
そもそも企業には解決したい課題や達成したい目標があり、それが社内人材では実現不可能だから求人を出す。ゆえに応募する際には、自分は企業の望みを叶えられる能力があるとアピールする必要がある。
「キャリアの棚卸しがきちんとできていない人は、これまで積み上げてきた経験やスキルなどの自分の強みや持ち味が応募先企業に伝わらないので、なかなか採用したいと思ってもらえません。これまでの自分の仕事人生を振り返り、スキル、知識、実績を書き出して、それを求人企業のニーズとうまく結びつけてアピールしましょう」
自分でうまくできない人は、人材紹介会社のコンサルタントを使うのも有効な手段だ。
3つ目は「
プライドばかりが高くて自分の市場価値がわかっていない」である。
「転職したばかりの頃は、年下の上司から新人がやるような仕事を命じられるかもしれません。しかし、40~50代の人でも転職先では新人になるので、基本的に何でもやりますという謙虚な姿勢が大事。面接時に、仕事の選り好みをするような発言をしたり、そのくせ年収は現状よりも欲しいと主張するような人はまず落とされます」
面接官はスキルや能力だけではなく、「この人と一緒に働きたいかどうか」という人間性も重視している。横柄な態度を取る人、転職に対して持っている「理想像」と、自分の「現実の市場価値」がかけ離れている人はどこからも採用されないのだ。
【垂内美優氏】
キャリアコーディネーター。(株)ダトラが運営する40~50代向け転職求人情報サイト「FROM40」で求職者と企業のマッチングを担当。数多くの事例から的確なアドバイスを行う。
<取材・文/武馬怜子 沼澤典史 山中千恵(清談社) ミッチー山根 山下久猛>